売れない空き家はどう処分するべき?方法やお得になる制度を紹介
「空き家はどうするべき?そのまま維持する以外の選択肢が知りたい」
「空き家を放置することのリスク・デメリットとは?」
「空き家の有効活用例は?」
空になったペットボトルはリサイクルに。
あるいは、水筒に、栽培の鉢に、夏休みの工作に。
では、空き家はどうすればよいのでしょうか。
本記事では、空き家をどうするとよいのか、その活用方法などについて解説していきます。
空き家を何とかしたい、空き家を活用して利益を出したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
空き家とは
空き家とは、居住者や所有者がいない建物のことを指します。
主に住宅で見られ、さまざまな理由で空き家となることがあります。
たとえば、所有者が転居した際に元の住居を放置したり、所有者の死亡や相続問題により所有権が明確でないままになったりすることが多いです。
また、高齢化によって空き家が増加することも問題となっています。
空き家は、地域の景観や街づくりの質の低下、防犯上の問題、建物の劣化や倒壊の恐れなど、さまざまな社会問題を引き起こす可能性も。
地方自治体や住民団体は、空き家対策を行い、空き家の再利用やリノベーションを促進する取り組みを行っています。
関連記事:放置空き家の割合・放置に潜むリスクと有効活用のための解決策
空き家を取り巻く現状
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によれば、2018年の日本全国の空き家は約848万9000戸です。
この結果によって、以前の調査結果に比べて増加傾向にあることがわかります。
地域ごとに差がありますが、総住宅数に占める空き家の割合も増えており、それにはさまざまな理由が考えられます。
まず、高齢化や人口減少による引越しや相続問題、経済的な理由などが要因です。
このような空き家の増加は、地域の景観や街の活性化に影響を与えるだけでなく、防犯上や災害リスクの面でも問題とされています。
地方自治体や住民団体は、空き家対策に積極的に取り組み、再利用やリノベーションなどの手法を通じて、地域の魅力向上や資産活用を図っています。
関連記事:日本における空き家の現状・放置空き家が抱える5つのリスクと対処法
空き家を放置することのリスク・デメリット
空き家を取り巻く現状がわかったところで、ここからは、空き家を放置することのリスク・デメリットについて解説していきます。
もっとも懸念される点は、以下の2つです。
- 維持費がかかる
- トラブルの原因になる
それぞれ見ていきましょう。
関連記事:空き家の放置リスクとは?手放したい方におすすめの処分方法5選
維持費がかかる
空き家を放置すると、その状態の維持には費用がかかります。
空き家の維持費用には、水道・光熱費、保険料、交通費などが含まれます。
とくに、固定資産税には注意が必要です。
特定空き家に認定されると、固定資産税が通常の6倍になることがあります。
この特定空き家認定は、地方自治体によって行われます。
放置することで維持費用が増大し、経済的な負担が増えるだけでなく、地域の景観や治安にも悪影響を及ぼす可能性があるため、空き家の維持費用は所有者にとって重要なポイントです。
トラブルの原因になる
空き家を放置することは、さまざまなトラブルの原因となります。
まず、放置された空き家は経年劣化や自然災害によって倒壊する危険性。
倒壊によって周辺の建物や人々の安全が脅かされる可能性があります。
また、空き家は防犯対策が不十分であるため、犯罪の温床となるリスクも存在します。
放火や不法侵入、売春や薬物の売買などの違法行為が行われることもあるのです。
これによって、地域の治安が悪化し、周辺住民の生活に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、空き家の所有者は放置を避けるために、定期的な点検や適切な管理を行うことが必要です。
土地の固定資産税が上がる可能性がある
先ほども少し触れたように、空き家を放置すると自治体から「特定空き家」に指定され、住宅用地の特例措置が受けられません。その結果、土地の固定資産税が最大6倍に上がってしまう可能性があります。
というのも、所有している不動産が空き家の場合、建物が立っている土地の固定資産税は軽減措置によって減額されているからです。「特定空き家」に指定されると、特例措置が受けられないため、空き家の年間維持コストが増えてしまいます。
「特定空き家」の前段階、「管理不全空き家」として自治体から指定されたら、速やかに指摘された箇所の改善をしましょう。引き続き土地の固定資産税の優遇措置が受けられます。
空き家の維持にかかる年間費用
ここからは、空き家の維持にかかる年間費用について解説していきます。
ここではわかりやすく、リストとして見ていきましょう。
- 建物にかかる固定資産税:年額11.2万円(1,000万×1.4%)
- 土地にかかる固定資産税:年額3.5万円(1,500万×1.4%×1/6{小規模住宅用地適用})
- 建物にかかる都市計画税:年額2.4万円(1,000万×0.3%)
- 土地にかかる都市計画税:年額4.5万円(1,500万×0.3%)
- 光熱水費:年額3万円(2,500×12カ月)
- 保険料(火災保険):年額3万円(年額)
- 定期的な庭のメンテナンス費用:年額10万円(除草+剪定の概算)
- 修繕費用:年額10万円(概算)
- 管理費用:年額3万円(7,500×12カ月)
- 交通費:年額3.6万円(3,000×12カ月)
- 不法投棄された場合のごみ処分費用:年額5万円(概算)
この内訳で、総計は65.2万円です。
なお、以上は例にすぎません。
実際の費用は、土地の広さや建物の老朽具合、市区町村によって異なります。
空き家をそのまま維持する以外の選択肢
先述したとおり、空き家を放置することにはリスクがついてまわります。
維持するだけではもったいないと言わざるをえません。
そこでここからは、空き家をそのまま維持する以外の選択肢を6つ、紹介します。
- 売却する
- 建物を有効活用する
- 建物をリフォーム・リノベーションしたうえで有効活用する
- 建て替える
- 更地にする
- 空き家バンクに登録してみる
それぞれ解説していきます。
選択肢➀売却する
空き家を売却することは、維持費やリスクを削減するための有効な選択肢です。
空き家は所有者にとって負担となるため、売却によって不要な経済的負担を取り除くことができます。
また、売却によって現金化し、他の投資や生活費に回すこともできます。
さらに、空き家は地域の景観や住環境にも影響を及ぼすため、売却によって地域の魅力を保ち、近隣住民の生活の質を向上させられるでしょう。
しかし、売却には時間や手続き、費用がかかる場合もあるので、不動産市況や相場価格などを考慮した慎重な判断が必要です。
選択肢②建物を有効活用する
空き家を有効活用することは、経済的な負担を軽減し、地域の活性化にもつながる選択肢です。
空き家をリノベーションして住宅や事務所、店舗などに転用することで、新たな収入源を生み出すことができます。
また、空き家をコミュニティスペースや地域のイベント会場として活用することで、地域の交流や活気を創出することも可能です。
さらに、空き家を共同住宅やシェアハウスにすることで、住宅の需要を満たしながら地域の人口減少問題にも対処できます。
空き家の有効活用には、適切なプランニングや改装費用の捻出が必要ですが、地域の資産活用と持続可能な発展に貢献する可能性があります。
選択肢③建物をリフォーム・リノベーションしたうえで有効活用する
空き家をリフォーム・リノベーションし有効活用することは、そのまま維持するよりも建物の価値を高める選択肢です。
リフォーム・リノベーションによって、空き家を住宅、事務所、店舗などに変え、新たな活用方法を見つけることができます。
また、建物の外観や内装の改装によって、魅力的なデザインや機能を持つ空間を創り出すことが可能です。
これによって、物件の価値が向上し、賃貸収入や売却時の利益を得ることができます。
さらに、地域の景観や風土を重視したデザインにすることで、地域の魅力向上や資産価値の向上にも寄与できます。
ただし、リフォーム・リノベーションには適切な計画と予算が必要ですので、専門家の助言を得ることが重要です。
選択肢④建て替える
いっそ空き家を建て替えることも、古くなった建物を新しくするための有効な選択肢です。
建て替えによって、老朽化や劣化した建物を解体し、新たな建物を建てることができます。
これにより、より快適で安全な住環境を提供することができるでしょう。
また、建て替えによって建物のデザインや構造を現代的に更新することができ、より魅力的な物件を手にすることができます。
さらに、新築やリノベーションによる建て替えは、不動産市場での物件の需要を高め、資産価値を向上させることが期待できます。
ただし、建て替えにはコストや手続きなどの課題もあるため、慎重な計画と十分な準備が必要です。
ここではさらに、気になる以下2つの観点について深掘りしていきます。
- 空き家を解体する際の費用
- 空き家の解体にかかる期間
それぞれ確認してください。
空き家を解体する際の費用
空き家を解体する場合の費用は、建物の規模や構造によって異なります。
一般的に、木造住宅の場合、30〜50坪程度で120〜300万円の費用がかかります。
鉄骨造の場合、木造住宅よりも若干高い費用が見込まれ、150〜330万円程度です。
さらに、鉄筋コンクリート(RC)造の場合は、より高い費用が必要となり、180〜360万円程度が見積もられます。
これらの費用には、解体業者の作業費や資材費、処分費用などが含まれます。
ただし、具体的な金額は建物の状態や作業内容によって変動するため、現地調査や見積もりを行うことが重要です。
関連記事:空き家の解体費用の相場を紹介
空き家の解体にかかる期間
一般的に、空き家の解体にかかる期間は、10日から2週間程度とされています。
この期間は、解体工事の規模や方法、現地の状況によって異なることがあります。
小規模な空き家であれば解体作業自体が比較的短期間で行われることがありますが、大規模な建物や複雑な構造を持つ場合には解体作業に時間がかかることがあります。
また、解体後の廃材処理や土地整備にも一定の時間がかかるのが一般的です。
解体期間は、業者との打ち合わせや計画段階で具体的に決めるようにしましょう。
選択肢⑤更地にする
空き家を更地にするとは、建物を解体し、土地を空にすることです。
これは、建物が取り壊せないほど老朽化していたり、再利用やリノベーションが難しい場合に選ばれる選択肢です。
更地にすることで、土地を元の状態に戻すことができます。
また、解体によって建物から出る廃材を適切に処理し、環境への悪影響を最小限に抑えられます。
更地にした土地は、その後の再開発や新たな建物の建設などに活用できますが、解体費用や廃材処理の費用などがかかるため、その経済的な面や地域への影響などへの考慮が必要です。
選択肢⑥空き家バンクに登録する
空き家バンクとは、自治体が行っている不動産情報サイトのことです。空き家バンクは不動産会社が通常取り扱わない物件も掲載されているため、掘り出し物を目当てに物件を物色している人もいます。
期待値はそれほど高くはありませんが、登録しておけば売却できる確率は少し高まります。
売れない空き家を処分する5つの方法
上記のように空き家を所有し続けることは多少なりともデメリットがあるため、手放したいと考える人も少なくありません。しかし、立地条件や築年数の古さが原因で「売りたくても売れない」物件も存在します。
そのような売れない空き家を処分する方法として、以下の選択肢があります。諦める前に一度検討してみてください。
・価格を2割以上値下げしてみる
・隣地に声をかける
・不動産会社を変える
・買取で売却する
・国に引き取ってもらう
それぞれ解説していきます。
価格を2割以上値下げしてみる
空き家が売れない最大の理由は、売り出し価格が高過ぎることです。市場価値に対して価格が高い場合、買い手は興味を示しにくくなります。そこで、価格を見直し、2割以上の値下げを検討してみてください。価格を適正に設定することで、購入希望者が増え、売却のチャンスが高まるでしょう。
例えば、現在の売り出し価格が3000万円の場合、2400万円以下に設定することで、より多くの人々に魅力的に映る可能性があります。価格の見直しは難しい決断かもしれませんが、早期に売却するための有効な手段です。
隣地に声をかける
昔から「隣地は高い価格を払ってでも買え」と言われています。これは、購入者にとって隣地を購入することで土地の形や接道条件、活用の幅などの条件が良くなることがあるためです。実際、隣地の所有者に声をかけることで、売れないと思っていた空き家がスムーズに売却できる場合があります。
不動産会社を変える
空き家が売れない場合には、不動産会社を変えることも一つの対策です。売却の可能性を高めるために、以下のような不動産会社を検討してみてください。
まず、古民家専門の不動産会社があります。最近の古民家ブームにより、築40年程度の家でも古民家として売却されることがあります。古民家専門の不動産会社には、古い家を好む顧客が集まるため、古い家の売却確率が自然と高まります。
次に、リフォーム工事も行う工務店系の不動産会社が挙げられます。工務店系の不動産会社には、自分でリフォームして住みたいと考える顧客が集まります。これらの顧客は工事費と物件価格をセットで考えるため、古い家でも予算に合えば購入してくれる可能性が高まります。
また、不動産売却の無料一括査定サイトを利用することもおすすめです。複数の不動産会社に連絡を取ったり、直接訪問したりする手間を省き、自宅で簡単に査定を受けることができます。
買取で売却する
買い取りで売却することも、空き家の処分方法の一つです。
買い取りとは、転売を目的とした不動産会社への売却を指します。古家付きの物件を購入する不動産会社は、買い取った後に取り壊し、自分たちで転売することが一般的です。
そのため、「取り壊し費用」や「不動産会社の転売益」を考慮すると、売却価格は安くなります。具体的には、古家付きの物件の場合、買い取りによる売却価格の相場は、仲介での売却価格の約50%程度です。
公益法人や自治体に寄付する
公益法人や自治体に寄付するという選択肢もあります。たとえば、社会貢献とみなされると税金面で優遇措置がある、NPO法人などの営利を目的としない団体への寄付です。土地や建物といった資産を寄付する際には譲渡所得税がかかりますが、公共的な利益を目的として使用する予定があれば、譲渡所得は発生しません。ただし、この手続きは法人側に負担が大きく、実際引き取るケースは少ないようです。自治台への寄付も同様で、土地や建物を活用する予定や必要性がなければ、ただ固定資産税の税収が減ってしまうため引き取ってもらえません。このように、必ず寄付できるというわけではありませんが、選択肢の一つとして覚えておくとよいでしょう。
国に引き取ってもらう
相続した土地であれば、2023年4月に開始された「相続土地国庫帰属制度」に申請することも一つの方法です。
ただし、建物が残っている場合は申請することができないため、空き家を解体して更地にする必要があります。また、10年分の土地管理費相当額を納めること、土壌汚染や崖がないことなど、複数の要件を満たす必要があり、すべての土地が引き取られるわけではありません。
売れない空き家を処分する際の注意点
空き家を処分する際に今一度確認しておきたい注意点を2点お伝えしていきます。
名義変更しているかどうか
相続した住宅を売却する際には、相続した本人への名義変更が必要です。法律上、処分しようとする空き家が被相続人の名義のままだと、相続人は勝手に売ることができないからです。
また、2024年4月より、相続登記が義務化されています。これにより、相続人は自分が住む予定がなくても、住宅を相続してから3年以内に相続登記をおこない、名義変更をしなければなりません。
売主を明確にし、買主が安心して取引できるように、相続登記や名義変更について確認しておきましょう。
土地の境界が確定しているかどうか
土地を売る際、登記上どこまでが自分の土地なのかを明確にする必要があります。
空き家の購入をはじめとした不動産売買において、買主は購入後のトラブルや資産価値を守るため、隣の土地との境界が確定していることを購入の条件にするケースもあるからです。
空き家を売却する際に境界があいまいな場合には、土地家屋調査士に依頼し筆界を特定し境界を確定しておく必要があります。その際、登記だけでなくあわせて境界杭の設置も依頼するとよいでしょう。物理的に境界をわかりやすくしておくと、売買がスムーズに進みます。
空き家の有効活用例10選
ここからは、10種もの空き家の有効活用例について、解説していきます。
- 戸建て賃貸
- 賃貸アパート・マンション
- 太陽光発電
- 福祉施設
- トランクルーム
- コインランドリー
- 駐車場
- 貸地
- 民泊
- コワーキングスペース
網羅的に紹介しているので、それぞれ順に確認してください。
関連記事:空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?
戸建て賃貸
空き家の活用事例のひとつとして、戸建て賃貸があります。
空き家をリフォームやリノベーションして、住居として賃貸することで収益を得ることができます。
戸建て賃貸は、一戸建ての特徴やプライバシーの高さを活かした住みやすさが魅力です。
また、一部屋や一部分を賃貸する「シェアハウス」としても活用できます。
快適な生活環境や設備を提供することで、家賃収入を得るだけでなく、地域活性化や空き家問題の解消にも寄与します。
ただし、入居者募集や管理業務、メンテナンスなどの負担もあるため、適切な管理体制の構築が重要です。
賃貸アパート・マンション
空き家の活用事例のひとつとして、賃貸アパート・マンションがあります。
空き家を改装して、複数の住戸を作り賃貸物件として提供することで収益を得ることが可能です。
賃貸アパート・マンションは都市部や人口の集中する地域で需要が高く、多くの人々が住みやすい環境を提供できます。
また、集合住宅のため、共用施設や共有スペースの設置が可能で、入居者の共同生活やコミュニティ形成を促進することができます。
ただし、建物の管理や運営、入居者の募集などの業務も発生するため、効率的な管理体制を確立し、適切な賃貸経営を行いましょう。
太陽光発電
空き家の活用事例のひとつとして、太陽光発電があります。
屋根や敷地に太陽光パネルを設置し、太陽の光を利用して電力を発電することで収益を得ることができます。
空き家のある土地や屋根は日照条件が良い場合が多いため、太陽光発電は持続可能なエネルギー供給に貢献できるでしょう。
また、国や自治体からの補助金や買い取り制度の活用も可能で、経済的なメリットも期待できます。
ただし、設置には初期投資や運用管理のコストがかかります。
また、土地や屋根の利用を制限することや特定の法律規制によって制約を受けることもあるため、地域の条件やルールを確認することが必要です。
福祉施設
空き家の活用事例のひとつとして、福祉施設があります。
空き家を改装して、高齢者や障害者などの福祉をサポートする施設として活用することが可能です。
グループホームやデイサービスセンター、老人ホームなど、地域の福祉ニーズに合わせた適切な施設を提供することで、地域の高齢化や福祉課題に対応することができます。
ただし、福祉施設の運営には専門的な知識やスキル、資金などが必要であり、適切な運営体制を整えることが重要です。
トランクルーム
空き家の活用事例のひとつとして、トランクルームがあります。
トランクルームは、貸し倉庫として利用されるスペースで、個人や法人が必要な時に物品を一時的に保管することができます。
空き家を改装してトランクルームとして利用することで、空間の有効活用や収益化が可能です。
需要が高まりつつあるため、適切な広さのスペースやセキュリティ対策を行うことで、安定的な利益を得ることができます。
トランクルームは、引っ越し時や季節物の収納、文書やアーカイブの保存など、さまざまな用途に利用されるため、需要が多岐にわたります。
ただし、安全管理や顧客対応などの業務も発生するため、適切な運営体制やマネージメントが必要です。
コインランドリー
空き家の活用事例のひとつが、コインランドリーです。
コインランドリーは、洗濯や乾燥を自動的に行う施設で、利用者はコインやカードを使って利用料金を支払います。
空き家を改装してコインランドリーとして運営することで、地域住民や学生、旅行者などの洗濯ニーズに応えるサービスを提供できます。
とくに、集合住宅や学生寮、観光地などで需要が高まるでしょう。
経営も比較的簡易であり、24時間営業が可能なため、収益を安定させることができます。
ただし、洗濯機や乾燥機などの設備投資や適切な管理が必要であり、競合他社や衛生管理にも注意が必要です。
駐車場
空き家の活用事例のひとつとして、駐車場があります。
空き家の庭や敷地を利用して、駐車場として提供することで地域の駐車需要を満たすことが可能です。
とくに、都市部や商業地域では駐車スペースが不足していることが多く、需要が高まっています。
駐車場の運営は比較的簡単なため、駐車料金を収益化することができるでしょう。
また、近隣に交通の便が良く、周辺の商業施設や観光地がある場合は需要が高まることもあります。
ただし、駐車場の整備や管理、適切な料金設定、安全対策などの課題もあるため、適切なプランニングや運営体制を整える必要があります。
貸地
空き家の活用事例のひとつが、貸地です。
貸地とは、空き家の敷地を個人や法人に貸し出すことで、農業やガーデニングなどの活動を行うことができます。
とくに、都市部で土地不足が問題となっている場合や、農業体験や都市農業の需要が高まっている場合に適しています。
また、貸地の収益化も期待できるでしょう。
ただし、適切な土地管理や契約管理、貸し手とのコミュニケーションが重要であり、しっかりとした契約書やルールの設定が必要です。
また、土地の状態や市場の需要に応じて、適切な地主側とのパートナーシップを築くことも重要です。
民泊
空き家の活用事例のひとつとして、民泊があります。
民泊とは、空き家や賃貸物件を利用して、旅行者や観光客に一時的な宿泊場所を提供するサービスです。
とくに、観光地や都市部で需要が高まっており、個人の収益化の手段としても注目されています。
民泊を運営するには、宿泊スペースの整備や清掃、予約管理、ゲスト対応などの課題がありますが、その分収益も期待できます。
また、地域振興の一環としても活用され、観光客と地元の交流を促進する役割も果たすこともできるでしょう。
ただし、地域のルールや規制を遵守しなければならず、近隣住民とのトラブルを避けるためにも、適切な運営管理が重要です。
コワーキングスペース
空き家の活用事例のひとつとして、コワーキングスペースがあります。
これは、空き家や空き店舗を利用して、フリーランスや起業家などが共同で働くためのスペースを提供するものです。
コワーキングスペースは、仕事の場として利用するだけでなく、他のメンバーとの交流や情報共有、コラボレーションの場としても活用できると話題です。
地域の活性化や新たなビジネスの創出にも寄与する一方で、適切な運営やメンバーの管理、セキュリティの確保といった課題もあります。
ただし、需要が高まっており、市場の成長が期待されています。
関連記事:空き家の運用方法や注意点を紹介
空き家を有効活用するうえで知っておきたい制度
最後に、空き家を有効活用するうえで知っておきたい制度を3つ、紹介しておきます。
- 補助金制度
- DIY賃貸
- 空き家バンク
それぞれ確認してください。
補助金制度
まずマストとなるのが「補助金制度」の存在です。
一部の地域では、空き家の活用・流通に補助金が出される場合もあります。
たとえば、地方自治体や国の政策によって補助金が提供されることがあります。
この補助金を活用することで、費用の一部をカバーできるため、負担を軽減できるでしょう。
ただし、補助金の対象条件や申請手続きには注意が必要です。
関連記事:空き家の解体に補助金が使える?その理由と条件について解説
DIY賃貸
賃貸のなかにはDIYが可能なものもあります。
それが「DIY」賃貸です。
DIYできる箇所はDIYしてしまうことで、空き家の有効活用がより一層はかどるでしょう。
とくに、家具の処分、庭の整備などはDIYで対応可能な作業であり、業者への依頼を減らすことができます。
これによりリフォーム費用を抑えることができますが、作業の際は安全に注意することが大切です。
空き家バンク
空き家バンクという選択肢も知っておきましょう。
空き家バンクとは、所有者が自分の持っている空き家を売りたい、または貸したいと望む場合に登録を受け、自治体が公式サイトにページを作って空き家の情報を公開する仕組みです。
見た人が興味を持ち、住んでみたいと申し出たら、その物件の所有者に紹介する構造で、空き家の活用を他人に委ねることができます。
空き家をどうするか:活用方法は多種多様
空き家をどうするかは多種多様です。
リノベーションや再開発、観光施設やコワーキングスペースにするなど、さまざまな活用方法があります。
ほかにも、補助金制度やDIY、空き家バンクなどの効果的な制度もあります。
これらの積極的な活用により、空き家問題の解消と地域の活性化が期待されているといえるでしょう。
空き家の活用をお考えなら、「あき家ZERO」にお任せください。
この記事の監修者
寺澤 正博
高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。