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実家じまいにかかる費用の相場と費用を抑えるため意識したいポイント | 空き家の活用・運用なら空き家ZERO
COLUMN

実家じまいにかかる費用の相場と費用を抑えるため意識したいポイント

公開日 2024.05.13 更新日 2024.11.19

使い道のない実家の所有には、さまざまなリスクがあります。リスクを避けるため、実家じまいを選択する方が増えています。「我が家も実家じまいするほうがよいのでは?」などと考えている方は多いでしょう。ここでは、実家じまいを選択する理由、実家じまいにかかる費用とその相場、費用を抑えるため意識したいポイントなどを解説しています。実家じまいの費用について理解を深めたい方は参考にしてください。

 

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実家じまいはなぜ行う?

実家じまいは、空き家になった実家を処分することです。両親の死去、入院、介護施設への入所などをきっかけに、独立した子どもが行うことが多いでしょう。

実家じまいの主な理由は、住む予定や貸し出す予定がないからです。実家を所有していると、活用していなくても、毎年、固定資産税がかかります。また、近隣住民に迷惑をかけないため、維持管理費もかかります。所有しているだけでコストがかかり続けるため、処分を検討する方が多いのです。

2024年4月1日から、相続登記が義務化された影響も大きいでしょう。いつ、誰が、どのような理由で不動産を取得したかがわかるため、実家じまいを自分事として捉える方が増えていると考えられます。

参照:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」

 

関連記事:売れない空き家はどう処分するべき?方法やお得になる制度を紹介

実家じまいにかかる費用

実家じまいには、さまざまな費用がかかります。ここでは、必ずかかる費用、解体する場合にかかる費用、売却する場合にかかる費用にわけて、実家じまいにかかる費用を解説します。

必ずかかる費用

必ずといってよいほど発生するのが、不用品処分にかかる費用です。自分たちで作業を行っても費用をゼロにすることはできません。実家までの交通費、不用品の処分費用、軽トラックを借りるレンタカー代などが発生するためです。

手間をかけたくない場合は、不用品回収会社などに依頼できます。この場合の費用は、実家の広さや立地、処分してもらう不用品の量などで異なります。費用の目安は次のとおりです。

 

間取り 料金
1LDK 70,000~200,000円
2LDK 100,000~300,000円
3LDK 150,000~500,000円
4LDK 200,000~600,000円

 

実家が広いほど、荷物の量が多いほど、不用品の処分にかかる費用は高くなる傾向があります。具体的な料金は業者で異なるため、見積もりをとって確認することが大切です。

解体する場合にかかる費用

サワ建工_貸地

実家が老朽化している場合は、解体を検討するケースが多いでしょう。一般的に、古家付きより更地のほうが買手を見つけやすいと考えられているためです。ただし、実家を解体すると解体費用がかかります。解体費用の目安は以下のとおりです。

 

住宅の構造 解体費用(1坪あたり)
木造 30,000~50,000円
鉄骨造 40,000~60,000円
鉄筋コンクリート造 50,000~80,000円

 

たとえば、木造20坪の住宅であれば600,000~1,000,000円、木造30坪の住宅であれば900,000~1,500,000円、木造40坪の住宅であれば1,200,000~2,000,000円かかると考えられます。実際の解体費用は、住宅の構造、広さに加え、立地などからも影響を受けます。不用品の処分費用と同じく、見積もりをとって確認することが大切です。

売却する場合にかかる費用

不動産会社の仲介で実家を売却すると仲介手数料がかかります。仲介手数料の上限は次のとおりです。

 

取引金額 仲介手数料
200万円以下 取引金額×5%+消費税
200万円超400万円以下 取引金額×4%+2万円+消費税
400万円超の部分 取引金額×3%+6万円+消費税

 

たとえば、取引金額が10,000,000円であれば仲介手数料は396,000円(税込)です。

また、実家の売却では、契約書に記載された契約金額に基づく印紙税もかかります。印紙税額は次のとおりです。

 

契約金額 印紙税額
100万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円

 

出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

これらに加え、登記費用や譲渡所得税(譲渡益がでた場合)などもかかります。

 

関連記事:空き家を売りたいときの売却方法と流れ・メリットと注意点

実家じまいの流れ

実家じまいの流れはケースで異なります。基本的な流れは次のとおりです。

【流れ】

  1. 家族などで話し合って方向性を決める
  2. 不用品を処分する
  3. 必要があれば実家を解体して更地に戻す
  4. 不動産会社へ仲介を依頼する
  5. 実家を処分する

実家じまいの方法には、さまざまな選択肢があります。家族などで話し合って方向性を決定することが重要です。相続をきっかけに実家じまいを行う場合は、不用品を安易に処分しないようにしましょう。不用品も相続財産と考えられるためです。何も考えずに処分すると、相続放棄を選択できなくなったり他の相続人とトラブルになったりする恐れがあります。相続についても方針を決めておくことが大切です。

 

関連記事:空き家の解体に補助金が使える?その理由と条件について解説

 

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実家じまいにかかる費用を抑えるコツ

実家じまいにかかる費用は、次の点を意識すると抑えやすくなります。

コツ①自分で片づける

不用品を自分で処分すると節約につながります。不用品回収にかかる作業代などを抑えられるためです。実家までの交通費や大型ごみの処理代などはかかりますが、それでも不用品回収会社に依頼するより安いケースが多いでしょう。

最終的に、業者を利用するとしても、不用品の量が減っていたり不用品の分別が済んでいたりすると、費用は安くなる傾向があります。時間と体力に余裕がある方は、できることをしておくとよいかもしれません。

ただし、自分で片付けをすると、思い出に浸って手が止まってしまうことがあります。このようなケースを想定して、無理のない予定を組むことが大切です。

コツ②早めに始める

実家じまいを早めに始めると、費用を抑えやすくなります。まだ使えるもの、もう使えないものを、整理できるためです。まだ使えるもので不要なものは、リサイクルショップなどで売却できる可能性があります。不用品を現金化できれば、実家じまいにかかる費用を抑えられます。

時間に余裕がある点も魅力です。ひとつずつのものと向き合って要不要を判断できます。「間違えて捨ててしまった」などのトラブルを防ぎやすくなります。丁寧に作業を行うため、探していたものも見つけられるはずです。

両親の協力を得られると、作業効率を高められます。両親が健在な方は、了解を得たうえで実家じまいの準備を進めるとよいでしょう。

コツ③遺品整理会社に依頼する

両親が亡くなっている場合は、買取サービス付きの遺品整理会社に依頼すると費用を抑えられる可能性があります。遺品整理会社は、亡くなった方の自宅を整理する業者です。一般的な不用品回収会社との違いは、遺品を整理・処分する中ででてきた大切なものを別に保管してくれることです。

買取サービス付きの遺品整理会社であれば、まだ使える遺品を買い取ってくれることがあります。遺品整理にかかる費用と買取金額を相殺できるため負担額を抑えられます。もちろん、リサイクルショップに買取を依頼することもできますが、別に査定を受けなければなりません。ワンストップで対応できる点は、買取サービス付き遺品整理会社の魅力です。

コツ④相見積もりをとる

不用品回収会社、遺品整理会社を利用する場合は、相見積もりをとることも大切です。業者により、サービス内容や料金体系は異なります。同じ条件であっても、依頼先により料金は変動します。数社から見積もりをとって比較すると、ニーズに合っているところを見つけられるでしょう。

比較のポイントは、料金だけに注目しないことです。割安な業者は、基本料金だけで十分なサービスを受けられないことがあります。見積もり時にスタッフの対応を確認しておくことも重要です。対応が悪い業者は、サービスの品質も低い恐れがあります。さまざまなポイントを比較して、納得できる業者を選びましょう。

 

関連記事:空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?

実家じまいの費用が高くなるケース

条件によっては、実家じまいにかかる費用が相場より高くなってしまうことがあります。ここからは、費用が高くなるケースを紹介します。

不用品で溢れかえっている

不用品回収費用の算出方法は業者で異なります。一般的には、以下の算出方法が用いられています。

【算出方法】

  • 回収する荷物の量(体積)をもとに算出
  • 回収に使用するトラックの大きさで算出
  • 荷物ごとの料金を加算して算出

いずれの算出方法でも、不用品の量が増えると費用は高くなります。不用品の回収や処分に時間と手間がかかるためです。処分したい不用品が一般的な住宅より多い場合は、割高になると考えられます。いわゆる「ゴミ屋敷」状態の実家は、不用品回収費用が高くなるでしょう。自分で捨てられるものを捨てて、荷物を減らしておくことが大切です。

仕分け作業から業者に依頼した

不用品回収会社などにより、仕分け作業に対する考え方はさまざまです。基本料金に含まれているところもあれば、オプションサービスになっているところもあります。後者に分類される業者は、仕分け作業から依頼すると割高になってしまうでしょう。

仕分け作業を依頼するメリットは、手間をかけずに短時間で不用品を整理できることです。ただし、立ち合って要不要の確認をしないと、必要なものを誤って捨てられる恐れがあります。

実家じまいの費用を安くしたい場合は、基本料金に仕分け作業が含まれている業者を選ぶか自分で仕分け作業を行うとよいでしょう。自分で仕分け作業を行うと、貴重品を誤って捨てるリスクも小さくなります。

悪徳業者に依頼した

不用品回収会社や遺品整理会社の中には、いわゆる悪徳業者も存在します。2021年度に全国の消費者センターへ寄せられた不用品回収サービスに関する相談は2,000件超です。相談が多い内容として「広告に記載されていた料金・サービスと実際の料金・サービスが異なる」があげられます。一般廃棄物処理業の許可を取得していない業者はトラブルが多いようです。

出典:独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル-市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!-」

前述の通り、3LDKの実家にある不用品を処分すると150,000~500,000円程度の費用がかかります。意図せず悪徳業者へ依頼すると、あれこれ理由とつけて作業後に倍の料金を請求されるかもしれません。依頼先を慎重に選ぶことが大切です。

 

関連記事:空き家の年間の維持費は?コストを抑える方法も紹介

 

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実家じまいの業者選びのポイント

実家じまいで不用品回収や遺品整理を依頼するときは、どのように業者を選べばよいのでしょうか。業者選びのポイントを解説します。

作業内容やオプションを確認する

見積に記載されている費用だけでなく、作業内容まで確認することが大切です。見積もりに詳細が記載されていない場合は、具体的な作業内容について質問するとよいでしょう。作業内容がわかれば、必要なオプションサービスも分かります。これらを把握して、実際の請求金額を明らかにしておくとトラブルを防ぎやすくなります。

必要な許可を取得しているかを確認する

廃棄物の収集・運搬には、原則として許可が必要です。一般家庭からでる廃棄物を収集・運搬する場合は「一般廃棄物処理業の許可」あるいは「市区町村の委託」が必要になります。また、不用品を買い取ったり買い取った不用品を売ったりするには、古物商許可が必要です。不用品回収会社や遺品整理会社の中には、無許可で営業しているところがあります。無許可の不用品回収業者などを利用すると、依頼者も罰せられる恐れがあるため注意が必要です。依頼前に、必要な許可を得ていることを確かめておきましょう。

出典:八重瀬町「~違法な不用品回収業者について~」

相見積もりをとり悪徳業者を避ける

相見積もりをとることも欠かせません。複数の業者から見積もりをとると、相場より著しく高い業者、安い業者がわかります。安いほうがよいと思うかもしれませんが、安すぎる業者は必要な許可を取っていなかったり作業後に追加料金を請求されたりする恐れがあります。依頼前に、安い理由など、詳細を確かめておくことが大切です。この作業を行うことで、悪徳業者を避けやすくなります。

 

関連記事:空き家の解体に補助金が使える?その理由と条件について解説

実家じまいの前に実家の活用も検討

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ここでは、実家じまいにかかる費用などについて解説しました。主な費用として、不用品処分にかかる費用、不動産売却にかかる費用、実家の解体にかかる費用があげられます。自分で片付けをする、早めに作業を開始するなどを心がければ、不用品処分にかかる費用を抑えやすくなります。実家じまいにかかる費用が気になる方は、オーナー様の負担金0円でリフォーム工事を行い、売却手続きなどをプロが引き受ける空き家ZEROの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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関連記事:空き家の運用方法や注意点を紹介

 

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この記事の監修者

寺澤 正博

サワ建工株式会社 代表取締役

一級建築施工管理技士

二級建築士

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。

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