空き家が狙われる!?犯罪・倒壊・税金など放置が招く問題と対処法を解説

「相続した実家が空き家のまま…」
「売りたいけど手続きが面倒…」
「維持費や固定資産税の負担が気になる…」
そんな悩みを抱えていませんか?
日本では、空き家の増加が問題になり、現在では900万戸を超える規模にまで拡大。
放置されると、防犯や防災のリスクを高めるだけでなく、地域の景観や資産価値を低下させる原因にもなっています。
さらに、相続手続きの複雑さや高額な解体費、税負担の増加など、空き家を放置しがちな理由も数多く存在します。
しかし、令和5年から所有者の責任が厳しくなり、放置し続けることのリスクが一層高まっています。
本記事では、空き家問題の現状やリスク、最新の法改正による影響、そして解決策としての売却・活用方法について詳しく解説します。
空き家を「負の遺産」にしないために、今すぐできる対策を考えてみましょう。
目次
なぜ今「空き家問題」が深刻化しているのか
空き家問題は全国的に深刻化し、地域の活気を失わせる要因となっています。
その背景には、少子高齢化や人口減少、新築志向の強さがあり、中古住宅の需要が伸びにくいことが挙げられます。
さらに、解体費用や固定資産税の負担により、相続後も処分をためらい、空き家が放置されるケースが増加しています。
総務省の住宅・土地統計調査によると、1978年時点で267.9万戸(空き家率7.6%)だった空き家は、2023年には約900万戸(空き家率13.8%)にまで増加。
総住宅数も同じ期間で大幅に増えていますが、それ以上に空き家の増加ペースが加速している点が特徴です。
また、空き家には売却予定や賃貸用など利用目的が明確なものだけでなく、放置状態に近い「その他の空き家」も含まれています。
特に、この「その他の空き家」の増加が、現在の深刻な空き家問題を象徴する重要なポイントです。
都市部では、人気エリアに需要が集中する一方、駅から離れた物件は借り手や買い手が見つからず空き家化が進行。
地方では人口減少により住宅需要そのものが低下し、空き家が長期間放置されるケースが増えています。
このままでは空き家問題のさらなる深刻化が予想され、早急な対策が求められています。
空き家問題が増える主な要因
空き家問題が増加する背景には、高齢化や人口減少に加え、さまざまな制度や市場の特性が影響しています。
特に問題視されているのは、相続手続きの複雑さや費用負担の大きさ。
住宅用地特例の影響で建物を取り壊すと、固定資産税が上がるケースもあります。
解体費用も高額なため、「とりあえず空き家のままにしておく」と選択する人が多いのが現状です。
また、日本では新築志向が根強く、中古住宅市場の流通が活性化しにくい点も空き家増加の一因。
「古い家は売れない」と思い込み、不動産会社に相談すらせず放置されるケースも少なくありません。
これらの課題を正しく理解することが、今後の空き家対策を進めるうえで不可欠です。
空き家所有で生じる3つのリスクとは?
空き家を所有すると、想定外の出費や責任が生じることがあります。
ここでは、特に問題となりやすい3つのリスクを取り上げ、それぞれの背景や注意点を整理しました。
経済的負担の増大
空き家は住んでいなくても維持費がかかり、予想以上に出費がかさむことが多いです。
空き家の手入れを怠ると老朽化が進み、修繕や害虫対策のコストが増加します。
固定資産税や都市計画税も毎年支払いが必要で、家計への負担が続きます。
早めの管理が、将来的な大規模修繕や駆除費用の増加を防ぐポイントです。
法的・管理責任とトラブル
空き家を放置していても問題ないと思っていませんか?
実は、所有者にはさまざまな法的責任や管理義務が発生し、想定外のトラブルにつながる可能性があります。
空き家を放置していると、具体的には以下のような問題が挙げられます。
- 建物の老朽化による倒壊や崩落で近隣に被害が出る
- 害獣・害虫が発生し、周囲の住環境を悪化させる
- 危険な空き家は「特定空家等」に指定され、固定資産税の優遇が解除される
- 崩壊や樹木の越境により、クレームや損害賠償請求が発生する
- 自治体が強制撤去(行政代執行)を行い、その費用が請求される
「住んでいないから関係ない」と思って放置すると、法的リスクや費用負担が増大します。早めの管理と対策が不可欠です。
相続トラブルと意思疎通の難しさ
空き家の相続をめぐり、思うように手続きが進まないという問題は聞いたことがあるのではないでしょうか?
家族間で意見が食い違うと、手続きが滞って長期間放置される原因になります。
親族の一部が空き家の売却を希望しても、「思い出があるから残したい」という意見が対立すると、話し合いが難航しがちです。
特に、遠方に住む相続人が多い場合、話し合いの機会が持てず、意思疎通がスムーズに進まないことが問題となります。
相続人が複数いるケースでは、調整が遅れるほど空き家の老朽化が進み、放置される悪循環に陥ることも少なくありません。
さらに、いざ空き家を売却しようとしても、長期間放置されたことで状態が悪化。
買い手がつかずにトラブルが拡大することもあります。
こうした問題を防ぐためには、相続人全員で早めに意見を調整し、納得できる解決策を探ることが重要。
話し合いを先延ばしにすると、空き家の価値が下がるだけでなく、親族関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
空き家問題が地域社会に及ぼす影響とは?
空き家問題の増加は、所有者だけの課題ではなく、地域全体の安全や経済、コミュニティにも深刻な影響を及ぼします。
ここでは、防犯・防災、地域の資産価値、まちづくりの3つの視点から、そのリスクを詳しく解説します。
防犯・防災面でのリスク
空き家の放置は、犯罪や事故のリスクを高めるだけでなく、災害時の被害拡大にもつながります。
放火や不法投棄、不審者の侵入が発生しやすく、老朽化した建物は台風や地震で倒壊し、通行人に被害を及ぼす可能性があります。
長期間放置された空き家に住みついた不審者が問題となったり、荒天時に屋根の一部が飛散し、通行人が負傷する事例も報告されています。
空き家問題が増えれば増えるほど、地域の安全が脅かされ、防災対策の負担も増大します。
地域の資産価値や景観の低下
空き家が点在する地域では、不動産価格が下落し、地域のイメージにも悪影響を及ぼします。
この問題は、景色を想像すると理解しやすいのではないでしょうか?
放置された空き家が増えると、雑草やゴミの放置が目立ち、「治安が悪い」「管理が行き届いていない」といった印象を与えます。
その結果、移住希望者や観光客が減少し、地域経済の活力が低下します。
観光地では、荒れた空き家が増えることで「雰囲気が悪い」との評判が広まり、リピーター減少につながることもあります。
まちづくり・コミュニティ維持への障害
空き家問題が増えると住民数が減少し、祭りや防災訓練といった地域活動の継続が困難になります。
自治会や町内会の運営も人手不足に陥り、行事の縮小や中止を余儀なくされるケースが増加。
かつて賑わっていた夏祭りが、空き家の増加に伴い参加者・出店者の減少で消滅することもあります。
防災訓練も実施が難しくなり、災害時の対応力が低下するなど、住民の安全を守る取り組みにも支障が出ます。
令和5年改正・空家法のポイントと対策強化
空き家の放置が社会問題化する中、令和5年に空き家対策特別措置法が改正されました。
今回の改正は、空き家問題を抱える所有者に対し、適切な管理や活用を促すとともに、地域の安全と活力を守ることを目的としています。
ここでは、改正の背景や具体的な改正内容、所有者が活用できる支援策について詳しく解説します。
改正の背景と目的
空き家問題が全国で深刻化し、防災・防犯面だけでなく、地域の景観や資産価値にも悪影響を及ぼしています。
こうした状況を受け、国や自治体は空き家の除却や活用を促進する取り組みを強化。
多くの自治体が「空き家バンク」を運営し、物件情報の提供や税制優遇、補助金の相談窓口を設置するなど、所有者がスムーズに売却・活用できる仕組みを整えています。
具体的な改正内容と所有者の義務
今回の改正により、特定空家等の指定基準や相続登記の義務化が強化されました。
そのため、手続きを怠ると以下の経済的な負担が発生する可能性が高まります。
- 自治体が「特定空家等」に指定すると、固定資産税の優遇が解除される
- 状況が改善されない場合、行政代執行により解体・撤去され、費用が所有者に請求される
- 相続登記の義務化により、相続した空き家を放置すると登記義務違反となり、追加の負担が生じる
これにより、「空き家を放置しても問題ない」という考えは通用しなくなりました。
所有者は早めに物件の現状を確認し、適切な管理や売却の準備を進める必要があります。
空き家対策特別措置法以外の支援策
税制優遇や補助金を活用することで、解体やリフォームの費用負担を軽減し、空き家を有効に活用できる制度が整っています。
以下が各制度の詳細です。
- 譲渡所得控除:相続した空き家を3年以内に売却すると、譲渡所得税の控除が適用される
- リフォーム補助:自治体の制度を利用し、老朽化した住宅をシェアハウスや地域施設として活用可能
- NPO・民間企業のサポート:空き家管理を専門とする団体が増え、所有者が適切なアドバイスを得やすい環境が整備されている
支援策を活用すれば、空き家を「負担」ではなく、新たな価値を生み出す資産として生かすことが可能。
空き家問題を放置せず、適切な手段で早めに対策を進めることが重要となります。
空き家問題は先送りせずに早めの対策を
空き家問題を放置すれば、老朽化や安全面のリスクが高ま り、やがて「負の遺産」と呼ばれる状態になりかねません。
ただ、近年の法改正や支援策の拡充により、解決策の幅が広がっています。
とはいえ、「相続した空き家をどう処分したらいいのかわからない」「遠方で管理できない」と悩む人もいるのではないでしょうか?
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この記事の監修者

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。