空き家の解体費用を用意できない場合の選択肢を紹介
「空き家の解体費用が用意できない場合はどうする?」
「空き家の解体にかかる費用を安く抑える方法は?」
「空き家を解体する際の費用やリスクが知りたい」
空き家は、たとえ使っていなくても、所有しているだけで維持費がかかります。
かといって、解体したい場合には別途費用がかかってしまいます。
本記事では、空き家の解体費用がない場合の対処について解説していきます。
空き家を何とかしたい、空き家を活用して利益を出したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
空き家を放置することのリスク
空き家を放置すると、維持管理費や固定資産税の支払いなどの経済的負担が発生するだけでなく、資産価値の低下や火災、倒壊などのリスクが高まります。
また、犯罪の温床になりうるという点でも周辺環境への悪影響があり、行政からの指導や勧告を受ける可能性もあります。
くわえて、特定空き家に指定されると固定資産税が増額される可能性もあるため、放置せず適切な対策を取ることが重要です。
関連記事:放置空き家の割合・放置に潜むリスクと有効活用のための解決策
空き家を解体する際の費用
空き家を解体する場合の費用は、建物の規模や構造によって異なります。
一般的に、木造住宅の場合、30〜50坪程度で120〜300万円の費用がかかります。
鉄骨造の場合、木造住宅よりも若干高い費用が見込まれ、150〜330万円程度です。
さらに、鉄筋コンクリート(RC)造の場合は、より高い費用が必要となり、180〜360万円程度が見積もられます。
これらの費用には、解体業者の作業費や資材費、処分費用などが含まれます。
ただし、具体的な金額は建物の状態や作業内容によって変動するため、現地調査や見積もりを行うことが重要です。
関連記事:空き家の解体費用の相場を紹介
空き家の解体にかかる費用を安く抑える方法
ここまで解説してきたとおり、空き家を解体する際の費用は決して安くはありません。
とはいえ、空き家を放置することにもリスクが伴うというなかで、ここからは「空き家の解体にかかる費用を安く抑える方法」を紹介します。
主な方法は以下の5つです。
- 複数業者に見積もりを依頼する
- DIYできる箇所はしておく
- 工事業者の繁忙期を避ける
- 補助金制度を利用する
- 必要な期間
それぞれ解説していきます。
関連記事:空き家の解体に補助金が使える?その理由と条件について解説
複数業者に見積もりを依頼する
空き家の解体費用を抑える方法のひとつは、複数の業者に見積もりを依頼することです。
複数の業者から見積もりを受けることで、料金の比較が可能です。
また、競争原理が働くことで業者間の競争が促され、価格の交渉余地も生まれます。
ただし、見積もりだけでなく業者の信頼性や実績、対応力なども考慮することが重要です。
安価な見積もりだけで選んでしまうと、工事の質やスケジュールに問題が生じる可能性もあるため、慎重な判断を行いましょう。
DIYできる箇所はしておく
空き家の解体費用を抑える方法のひとつは、DIYできる箇所を行うことです。
家具の処分、庭の整備などはDIYで対応可能な作業であり、業者への依頼を減らすことができます。
これにより解体費用を抑えることができますが、作業の際は安全に注意することが大切です。
工事業者の繁忙期を避ける
空き家の解体費用を抑える方法のひとつは「工事業者の繁忙期を避けること」です。
たとえば、春や夏といった季節や、年末年始などは工事業者の仕事が集中しているため、需要が高まり費用も上昇する傾向があります。
逆に、そのような繁忙期を避けて解体工事を依頼すると、業者の稼働率が低くなり、費用を抑えられる可能性があります。
補助金制度を利用する
空き家の解体費用を抑える方法のひとつは「補助金制度を利用すること」です。
一部の地域では、空き家の解体に補助金が出される場合もあります。
たとえば、地方自治体や国の政策によって補助金が提供されることがあります。
この補助金を活用することで、解体費用の一部をカバーできるため、負担を軽減できるでしょう。
ただし、補助金の対象条件や申請手続きには注意が必要です。
必要な期間
一般的に、空き家の解体にかかる期間は、10日から2週間程度とされています。
この期間は、解体工事の規模や方法、現地の状況によって異なることがあります。
小規模な空き家であれば解体作業自体が比較的短期間で行われることがありますが、大規模な建物や複雑な構造を持つ場合には解体作業に時間がかかることがあります。
また、解体後の廃材処理や土地整備にも一定の時間がかかるのが一般的です。
解体期間は、業者との打ち合わせや計画段階で具体的に決めるようにしましょう。
空き家の解体費用が用意できない場合はどうする?
ここからは、空き家の解体費用が用意できない場合の対処法について見ていきましょう。
主な方法は、以下の5つです。
- 空き家解体ローンを利用する
- 補助金・助成金制度を利用する
- 建物を活用して収益を得る
- 相続放棄する
- 売却する
それぞれ確認してください。
空き家解体ローンを利用する
空き家の解体費用が用意できない場合には、空き家解体ローンを利用することがひとつの対処法です。
空き家解体ローンは、解体費用を融資してもらうための貸付商品であり、返済は分割や一括で行えます。
このローンを活用することで、自己資金を一時的に節約することができるでしょう。
ただし、返済計画や金利などに注意が必要であり、専門家との相談や計画立てが重要です。
補助金・助成金制度を利用する
空き家の解体費用が用意できない場合には、補助金・助成金制度を利用することがひとつの対処法です。
地方自治体や国の支援制度には、解体費用の一部を補助する制度が存在します。
これを活用することで、解体にかかる費用を軽減することができます。
ただし、補助金の条件や申請手続きには注意が必要であり、対象地域や用途によって異なる場合があるので、早めに関連機関や自治体に相談し、必要な情報を収集することが重要です。
建物を活用して収益を得る
空き家の解体費用が用意できない場合には、「建物を活用して収益を得る」ことがひとつの対処法です。
たとえば、賃貸住宅や民泊などの形態で建物を活用することで、家賃収入を得ることができます。
また、商業施設やワークスペース、コワーキングスペースなどとして活用することも考えられます。
これによって、空き家の維持管理費や固定資産税の負担を軽減できるほか、建物の価値を活かすこともできるでしょう。
ただし、法令や契約条件には注意が必要であり、適切な調査や計画が重要です。
関連記事:空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?
相続放棄する
空き家の解体費用が用意できない場合には、相続放棄することがひとつの対処法です。
相続放棄とは、自身が相続人としての権利を放棄することであり、その結果、相続財産のひとつである空き家を手放すことができます。
空き家を相続した場合、解体費用や維持費の負担が発生するため、放棄することで負担を回避できるのです。
ただし、相続放棄の手続きや手続き期限には注意が必要であり、専門家の助言を受けながら適切な判断を行うべきです。
売却する
空き家の解体費用が用意できない場合には、売却することがひとつの対処法です。
空き家を売却することで、解体費用の負担を回避できます。
売却に際しては、不動産業者や専門の売却支援サービスを活用することが重要です。
市場価格を把握し、適切な物件情報を提供してくれることが期待できます。
また、物件の魅力を引き出すために、内装や修繕などの工夫も必要です。
売却によって現金化し、負担を軽減することができます。
空き家解体のDIYはできる?
空き家の解体を事業として行う場合には、建設業許可などを取得する必要がありますが、自分で所有している住宅の解体を行う場合は許可を取る必要はありません。
そのため、基本的には所有している空き家の解体を自分で行っても問題ありません。
ただし、場合によっては認められた専門家でなければ解体できないケースもあります。
たとえば、特定の建築基準法や都道府県の条例がある場合や、土壌汚染の疑いがある場合などです。
そのため、解体前には地方自治体に相談することをおすすめします。
関連記事:空き家を管理する方法と注意したい潜在リスク・コストと対策方法
空き家の解体費用がない場合には5つの対処法がある
空き家の解体費用がない場合には、以下の5つの対処法があります。
まずは空き家解体ローンを利用する方法。
金融支援機構などが提供する低利率の融資を活用し、解体費用を借り入れることができます。
次に補助金・助成金制度を利用する方法。
地方自治体や国の政策によって、特定の条件を満たす場合には解体費用の一部を補助してくれる場合があります。
次に建物を活用して収益を得る方法。
たとえば、賃貸物件として利用したり、空家管理会社に委託して管理・貸し出しを行ったりすることで、解体費用を捻出する方法もあります。
次に相続放棄する方法。
相続したが解体費用が負担できない場合、相続権を放棄し、所有権を他の相続人に譲渡することも選択肢となります。
最後に、売却する方法。
解体費用がかからないまま売却することで、新たな持ち主が解体を行い、活用できます。
これらの対処法は、所有者が解体費用を負担することが難しい場合に、空き家問題の解決策として活用できます。
ただし、各対処法にはメリット・デメリットがあり、事前にしっかりと検討して適切な選択をすることが重要です。
空き家の活用をお考えなら、「あき家ZERO」にお任せください。
この記事の監修者
寺澤 正博
高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。