空き家の買取相場はどのくらい?高値で売却する4つのコツ
「空き家の買取相場はどれくらい?」
「空き家を売却するメリットは?」
「高値で売るためのコツはある?」
空き家の買取は、即時の現金化や仲介手数料が不要など、多くのメリットが挙げられます。
しかし、空き家の買取はリスクや注意点も存在します。
本記事では、空き家の買取相場からメリット、リスク、高値で売却するコツを詳しく解説しています。
空き家をお持ちの方、買取を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
空き家の買取について
空き家の買取とは、不動産会社や投資者が直接、空き家の買主となる取引方法です。
この方式では、不動産会社が売主と買主の間に入る仲介手法と異なり、売主と直接価格に合意することで、迅速に契約を進められます。
最大の特徴は、スピード感と手軽さでしょう。
買取による取引では、不動産会社が空き家を購入後、リフォームや用途変更を行い、新たな顧客に販売することを目的としています。
このプロセスにより、物件は再び市場に流通し、再活用が可能に。
また、空き家が多少古い状態でも買取契約が成立すれば、売主は契約不適合責任を負わなくて済むため、安心して取引を進められます。
関連記事:空き家を売りたいときの売却方法と流れ・メリットと注意点
空き家の買取の相場
空き家の買取価格は、一般的な仲介を通じた市場価格と比較し、おおよそ50%から80%の範囲で設定されます。
具体的には、物件の状態や将来の可能性に大きく依存します。
例えば、簡易なリフォームで済み、すぐに転売可能な物件の場合、仲介価格の約80%で買取される場合が多いでしょう。
リフォーム費用が限定的であり、買取業者が容易に市場に再投入できるためです。
一方、大規模な修繕や取り壊しが必要な物件では、仲介価格の50%程度まで下がることも珍しくありません。
このような物件では、取り壊し費用とその後の再開発に伴うコストが必要になるため、買取価格は大幅に低くなります。
関連記事:空き家の解体に補助金が使える?その理由と条件について解説
空き家を買い取ってもらうメリット
空き家を買い取ってもらうメリットは、主に以下の6点が挙げられます。
- 仲介手数料を支払う必要がない
- 早く現金化できる
- 古くても売却できる
- 不用品を無料で処分できる
- 売主の責任を負う必要がない
- 売却活動の負担が少ない
順番に解説していきましょう。
メリット①仲介手数料を支払う必要がない
空き家の買取を選ぶ大きなメリットは、仲介手数料が発生しないことです。
不動産買取は、不動産会社が直接買い手となるため、仲介を介さずに取引が行われます。
これにより、売主は仲介手数料を節約できるだけでなく、不動産会社との直接取引で、売却がシンプルかつ透明になるのです。
メリット②早く現金化できる
空き家の買取は速やかに進められるのもメリット。
一般的な仲介売買では、市場状況や物件の条件によって、数ヶ月から1年近く売却に時間がかかる場合がありますが、買取では査定後、1週間から1ヵ月程度で完了します。
場合によっては翌日に買取完了する業者も存在し、固定資産税や火災保険料などの維持費用からも迅速に解放されます。
特に早く現金化したい場合や、迅速な処理を求める売主にとって大きなメリットと言えるでしょう。
メリット③古くても売却できる
空き家の買取は、築年数がかなり経過した物件であっても売却が可能であるという大きな利点があります。通常の仲介を通じての売却では、「古家付き土地」としての取り扱いになりがちですが、これには土地としての価値が重視され、建物自体の価値はほぼ無視されることが一般的です。そのため、リノベーションや解体の費用が売却価格を抑える要因となり、買い手を見つけにくくなることがあります。しかし、買取の場合、不動産会社がこれらのリノベーションや解体を担うため、旧式の建物でもそのまま買い取ってもらえることが期待できます。
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メリット④不用品を無料で処分できる
不動産の買取では、家具などの不用品も含めて物件を引き取ってもらうことが可能です。
仲介による売却の場合、売却前に家具や個人の持ち物を全て撤去し、空っぽの状態で引渡す必要があります。
そのため、時間とコストがかかりますが、買取の場合は買取業者がこれらの不用品の処分を担います。
これにより、売主は家具の撤去にかかる手間やコストを省けるのです。
ただし、不用品処分・買取サービスを提供する業者を選ぶ必要があり、家具の処分が組み込まれることによって、最終的な買取価格に影響を受ける場合もあります。
メリット⑤売主の責任を負う必要がない
空き家の買取では、売主が契約不適合責任を負う必要がありません。
通常の不動産売却では、売主は物件に隠れた瑕疵があった場合、買主から修理要求、損害賠償請求、場合によっては契約解除を求められるリスクがあります。
一方で、買取では不動産会社が物件の現状を理解した上で購入を決定し、契約不適合責任を追及しない条件されるのが一般的。
例えば、建物に雨漏りがある場合でも、不動産会社はその事実を認識した上で買取し、後の修繕責任を売主に求めません。
そのため、売主は物件の状態に起因する後続の問題から解放され、安心して売却を進められるのです。
メリット⑥売却活動の負担が少ない
空き家の売却方法には大きく分けて仲介と買取の2つありますが、買取は特に売却活動の負担が少ない点で大きなメリットと言えます。
仲介売却の場合、売主は内覧の対応や物件の清掃、修繕といった、売却に向けた準備をする必要があります。
一方で買取の場合は、不動産会社が直接買い手となるため、内覧対応する必要がなく、物件の状態を整える必要もありません。
そのため、日常生活が忙しくて空き家の管理が難しい、空き家が遠方にある場合でも、手間と時間をかけずに売却可能です。
買取による売却は、手軽さとスピード感を重視する売主にとって、特に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
空き家を放置しておくリスク
空き家を放置するリスクとして、以下5点を知っておきましょう。
- 劣化が加速し修繕コストが増大する
- 災害による倒壊の恐れがある
- 衛生問題と犯罪の温床になるリスク
- 税制上の不利益が生じる
- 行政からの介入
一つずつ解説していきます。
劣化が加速し修繕コストが増大する
空き家は人の居住がないため、通常の住宅に比べ劣化が進行しやすいです。
定期的に換気されないことで湿気が蓄積し、木材の腐食や建物の老朽化が進むため、将来的に発生する修繕費用が増加します。
放置された空き家は維持管理が適切ではないため、さらなる損傷を引き起こし、結果的に高額な修繕が必要になる可能性が高まるでしょう。
災害による倒壊の恐れがある
老朽化した空き家、特に木造住宅は、自然災害時に倒壊する可能性が高まります。
空き家の倒壊が近隣住宅への損害、通行人の安全を脅かすだけでなく、火災やガス漏れなどの二次災害を引き起こすリスクを増大させてしまうのです。
空き家の所有者は、倒壊により周囲に被害を与えた場合、損害賠償責任を問われる場合もあるでしょう。
そのため、定期的なメンテナンスや耐震性の向上を図る対策などの予防措置が大切でしょう。
衛生問題と犯罪の温床になるリスク
空き家は、シロアリの発生やネズミなどの害虫が住みつき、衛生的な問題を引き起こす場となります。
また、不法投棄の場所として使われたり、不法占拠や放火といった犯罪の対象にもなり得るため、近隣住民にとって大きな迷惑なのです。
このような問題は、空き家の価値を低下させるだけでなく、周辺地域の治安にも悪影響を与えるでしょう。
税制上の不利益が生じる
放置された空き家が「特定空き家」として行政に指定されると、税制上の優遇措置を受けられません。
特定空き家に指定された場合、小規模住宅地の固定資産税評価額の軽減など、特例が適用されず固定資産税が増加します。
空き家の維持に関連する費用の増大を意味し、経済的負担がさらに重くなる結果を招くでしょう。
行政からの介入
空き家が長期間放置されると、行政からの介入が強化されます。
助言や指導からはじまりますが、改善が見られない場合は勧告や命令が下され、最悪の場合は行政代執行が行われるのです。
この過程で発生する罰金や行政代執行による費用は、所有者の負担となり、さらに財産が差し押さえられる可能性もあります。
空き家を放置することは経済的な損失だけでなく、法的なリスクをもたらすことになります。
関連記事:空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?
空き家を買い取ってもらう前に押さえておきたい注意点
空き家の買取を検討している方は、以下3つの注意点を覚えておきましょう。
- 売却金額が不動産仲介よりも低い
- 必ず買い取ってもらえるわけではない
- 悪徳業者に注意する
一つずつ見ていきます。
売却金額が不動産仲介よりも低い
空き家を買取に出す場合、売却金額が不動産仲介を利用した場合に比べ、低くなるのが一般的。
買取の場合、不動産会社は速やかに取引を完了させるため、市場価格の約5〜8割程度での買取で提案されます。
そのため、時間をかけてでも高額で売りたい場合は、仲介を通じた売却を検討しましょう。
買取価格は、不動産会社が将来の売却利益や仕入れコストを考慮して設定するため、所有者が期待する価格よりも低いことを覚悟しなければいけません。
必ず買い取ってもらえるわけではない
空き家の買取では、必ず売れる保証はありません。
特に地方の物件や解体が必要な場合、更地の価値が解体費用を下回る場合は、買取が困難になるでしょう。
更地価格が解体費用を超えない限り、買取して利益を出すのが難しいため、買取業者も積極的に手を出しません。
そのため、売却を検討している空き家がある場合は、事前に不動産会社に査定を依頼し、実際にどの程度の価値があるか確認すると良いでしょう。
また、資産価値が低いと判断された物件は、買取を断られる場合もありますので、その場合は他の対処法を考える必要があります。
関連記事:空き家が売れないケースとは?売却のコツと具体的な方法について
悪徳業者に注意する
空き家の買取を検討する際、悪徳不動産会社や買取業者には特に注意しましょう。
一部の業者は、急いで財産を売却したいと願う所有者の状況を利用し、市場価値よりも著しく低い価格を提示することがあるのです。
悪徳業者を見極める対策としては、複数の不動産会社から見積もりを取ること、業者の評判を調べること、可能であれば顧客の口コミを確認すること。
信頼できる業者を選ぶと、不当な価格での買取を防ぎ、公正な取引が実現できます。
また、不動産取引における標準的な手順や相場感を理解しておくのも、悪徳業者から自身を守る上で助けとなるでしょう。
空き家を高値で買い取ってもらうコツ
空き家を買取してもらうなら、できるだけ高値で買い取ってほしいと思うでしょう。
ここでは、空き家を高値で買い取ってもらうコツについて紹介していきます。
- 残置物を撤去しておく
- 空き家の買取に特化している業者を探す
- 出来る限り修繕しておく
- ハウスクリーニングを活用する
- 複数の業者に査定を依頼する
順番に解説していきます。
コツ①残置物を撤去しておく
空き家を買取に出す際、可能な限り残置物は自分で撤去しておきましょう。
多くの買取業者は残置物があっても買取してくれますが、撤去費用は最終的な買取価格から差し引かれるのが一般的です。
自分で残置物を清掃し撤去することで、業者が予定していた撤去費用を削減し、その分買取価格を引き上げられるでしょう。
事前に整理整頓すると物件の印象も向上し、より良い条件での買取が期待できます。
コツ②空き家の買取に特化している業者を探す
空き家の買取に特化した業者を選ぶことも、高価買取を実現する重要なポイント。
通常の不動産業者よりも空き家の取り扱いに慣れており、リフォームや市場への再販売に関する豊富な経験とノウハウをもっています。
専門業者は、空き家の状態を正確に評価し、ポテンシャルを見極められるため、一般的な不動産業者よりも高値での買取が期待できます。
適切な業者選びにより、空き家の価値を最大限に引き出し、満足のいく買取価格を得られるでしょう。
コツ③出来る限り修繕しておく
中古住宅の売却において、見た目の良さや機能的な問題は購入者の判断に大きく影響します。
特に空き家の場合、長期間使用されていないため、細かな欠陥が発生している可能性が高いのです。
欠陥を放置すると買い手の印象を悪くし、買取価格が下がる可能性があります。
そのため、壁の傷やドアノブの修理など、比較的少額で修繕可能な箇所は、売却前に修繕しておきましょう。
物件の価値を向上させ、より高値での売却が期待できます。
コツ④ハウスクリーニングを活用する
空き家を売却する際は、内覧の際に清潔感を出すことが非常に重要です。
特に水回りなどの清掃は、購入希望者にとって大きな判断基準となるため、プロのハウスクリーニングサービスを利用して徹底的に掃除しましょう。
ハウスクリーニングサービスを利用すると、家全体が生まれ変わったように綺麗になり、買取価格の向上につながります。
また、遠方に住む所有者や自力での清掃が難しい場合は、空き家管理サービスを利用するのも一つの手。
サービスを活用することで、定期的に空き家の状態を良好に保ち、購入者に良い印象を与えられるでしょう。
コツ⑤複数の業者に査定を依頼する
空き家を売却する際は、一つの買取業者に限定せず、複数業者から査定を受けましょう。
複数業者に査定依頼することで、それぞれの買取価格を比較し、最も有利な条件を提示できます。
さらに、査定依頼するのは価格だけでなく、営業担当者の対応や信頼性を評価する機会にもなるのです。
信頼できる営業担当者は、取引の透明性を保ち、売却プロセス中の不明点や疑問に迅速かつ正確に応じてくれます。
そのため、査定の際は価格の比較だけでなく、営業担当者の対応や、業者が提供するアフターサービスの質にも中注目すると良いでしょう。
空き家を買い取ってもらう場合の流れ
実際に空き家を買い取ってもらう場合は、以下の流れで進めていきます。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 打ち合わせを行う
- 売買契約を締結する
- 引き渡しと決済を行う
以下のポイントを参考にしながら、空き家の買取を進めていきましょう。
不動産会社に査定を依頼する
空き家の買取手順は、まず不動産会社に査定を依頼することから始まります。
査定は主に「机上査定」と「現地査定」の2種類です。
机上査定は、地域の市場データをもとに予測される価格を算出しますが、約3日から1週間程度の時間を要します。
一方、現地査定は不動産会社が物件を直接訪問して行い、30分から1時間程度で完了する場合が多いです。
査定結果は空き家の価格設定に直結するため、複数の不動産会社に依頼することで、より公平な価格を見極められるでしょう。
特に遠方の物件の場合は、現地査定の交通費や宿泊費が発生する場合もあるため、コストと時間を考慮した上で査定方法を選択しましょう。
打ち合わせを行う
査定が完了した後は、不動産会社との間で具体的な打ち合わせが行われます。
この段階で、実際の買取価格や売買から引渡しまでのスケジュール、必要となる書類の準備について話し合います。
売買契約をスムーズに進めるためには、「登記済権利証」「固定資産税の納税通知書」「土地測量図」「物件図面」などの必要書類を事前に準備しておきましょう。
これらの書類は売買契約の進行に必須であり、必要に応じて追加書類を準備する必要があります。
時間に余裕をもって書類を整え、売買契約当日に問題が発生するリスクを最小限に抑えられるでしょう。
売買契約を締結する
空き家の買取手順で重要なステップは、不動産会社との売買契約の締結です。
打ち合わせを通じて買取価格に双方が合意し、必要書類がすべて揃えば、売買契約書の作成が始まります。
契約書が準備でき次第、速やかに売買契約が進んでいきます。
空き家を買い取ってもらうことで、早期に現金化が可能となり、スピーディーな取引が売主にとって大きなメリットとなるでしょう。
売主は価格面で若干の妥協は必要ですが、その分迅速に手続きが進行するメリットが受けられます。
引き渡しと決済を行う
売買契約が締結された後、空き家の引渡しと決済が最後のステップとなります。
不動産会社に空き家を正式に引き渡し、その場で買取金額の決済が行われます。
このとき、全ての必要書類が適切に処理されていることが前提となります。
また、家具や家財の処分が必要な場合、売主は処分を自己責任でする必要が。
最後に、売買契約書を含むすべての書類は将来のトラブルを防ぐため、また不適合責任が問われた際の証拠として、丁寧に保管しておきましょう。
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空き家の買取は計画的に進めよう
いかがでしたでしょうか?
空き家の買取相場や売却するメリット、リスクについてお分かりいただけたかと思います。
また、高値で売却するための具体的なコツや、買取の流れについても詳しく説明しました。
空き家を高値で買い取ってもらうには、適切な準備と情報が必要です。
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この記事の監修者
寺澤 正博
高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。