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空き家バンクとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 | 空き家の活用・運用なら空き家ZERO
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空き家バンクとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

公開日 2024.05.13 更新日 2024.11.20

空き家バンクとは、空き家の有効活用を目指す制度です。
本記事では、空き家バンクの概要、制度の仕組み、導入背景、利用する際のメリットとデメリットをわかりやすく解説しています。
また、利用時の注意点も紹介しています。
空き家バンクの利用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

 

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空き家バンクとは

 

空き家バンクは、空き家や空き地の情報を集め、これらの資産を有効活用しようとする地方自治体の取り組みです。
所有者が自治体に利用していない不動産を登録することで、それらの情報が専用のウェブサイトに公開されます。

そのため、移住や投資を希望する人々が、適切な物件を見つけやすくなるのです。
空き家バンクは、民間の不動産ポータルサイトと似ています。
しかし、運営は自治体が担当しています。

登録された空き家や、空き地の実際の売買や賃貸契約は、自治体と業務提携している不動産業者が担当。
これにより、一般の不動産ポータルサイトと同様の利便性が提供されつつ、地域特有のニーズに応じた運用が可能となっています。

 

関連記事:空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?

空き家バンクの仕組み

 

空き家バンクの基本的な流れは、空き家や空き地の所有者が自らの不動産を登録し、その情報がウェブサイト上で公開されることから始まります。
このプラットフォームを通じ、空き家や空き地を求めている人々が情報を閲覧、興味をもった物件があれば、自治体または自治体と業務提携している不動産業者を通じ、連絡を取り合います。

自治体の役割は主にマッチングの促進で、直接の売買交渉や契約の仲介は行いません。
つまり、自治体は物件情報の掲載と初期の連絡調整をサポートが役目で、実際の取引は当事者間、または不動産業者の介在する形で進められます。

 

関連記事:実家が空き家になったらどうするべき?放置空き家になる原因と対処法

空き家バンク制度が始まった背景

 

日本では、少子高齢化と人口減少により空き家問題が社会的な課題となっています。
多くの空き家は管理が行き届かず、老朽化が進むことで倒壊の危険や不法侵入、不法投棄といった治安の悪化、さらに害獣の住処となるなど、多くの問題を引き起こしています。

このような背景から、国としても適切な対策が求められ、その一環として「空き家対策特別措置法」が制定されました。
この法律は空き家の所有者に対し、放置せずに適切に管理することを義務付けています。

空き家バンク制度は、これらの問題に対処し、放置された空き家の有効活用を図るために自治体によって導入されました。
自治体は、空き家の所有者と利用希望者を結びつけるプラットフォームを提供し、空き家の再活用やリノベーションを促進することで、地域の活性化を目指しています。

 

関連記事:日本における空き家の現状・放置空き家が抱える5つのリスクと対処法

 

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空き家バンクを活用するメリット

 

空き家バンクを活用するメリットとして、以下4点が挙げられます。

  • 無料で掲載できる
  • 資産価値などが考慮されない
  • 自治体が運営してくれる
  • 補助金や助成金が使える場合がある

一つずつ確認していきましょう。

 

関連記事:空き家はどうするべき?方法やお得になる制度を紹介

メリット①無料で掲載できる

空き家バンクの大きな魅力は、物件情報の無料掲載が可能な点です。
このシステムは営利目的としておらず、自治体が空き家問題の解決のために設けたサービスです。

そのため、所有者は無償で物件情報を広く公開でき、地元の人々はもちろん、移住を希望する人々に対しても物件をアピールできます。

掲載にあたってはいくつかのルールがあります。

  • 複数の所有者がいる場合は全員の同意が必要
  • 必要書類の準備
  • 指定窓口に提出

ルールがあるとはいえ、無料で掲載できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

メリット②資産価値などが考慮されない

空き家バンクでは、自治体が定める条件を満たしていれば、資産価値が低い物件でも掲載することができます。
一般の不動産市場では、市場価値が低い物件は取引が難しいケースもありますが、空き家バンクではそのような物件でも掲載のチャンスがあるのです。

そのため、物件をもっているが売却が困難、適切な利用方法が見つからない、などの所有者にとって、新たな機会が提供されます。

掲載条件は自治体ごとに異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
条件には通常、物件が個人所有であること、建築基準法に抵触していないことなどが含まれます。

メリット③自治体が運営してくれる

運営が地方自治体によって行われるのも、空き家バンクを活用する大きなメリットです。
サービスの運営元が明確であり、利用者は安心してサービスを利用できます。

空き家バンクは営利を目的としていないため、不動産市場で時折問題となる、悪質な業者による詐欺や不当な取引の心配が少なく、透明性が保たれています。
自治体が運営することで、公的な支援や情報の信頼性が担保され、地域住民や移住希望者に対して、安全な環境で物件情報の提供ができるのです。

メリット④補助金や助成金が使える場合がある

空き家バンクを活用するもう一つのメリットは、自治体によっては空き家の管理や改修を支援するための補助金・助成金が用意されていること。
これらの支援金は、空き家の所有者が負担を感じる修繕・改修作業の費用を軽減し、物件の状態を向上させる手助けをします。

例えば、空き家を低所得者向けの住居に改修する場合の補助金や、リフォーム費用の助成などが挙げられます。

こうした制度を利用することで、物件の価値を高め、結果として売却時の価格向上や利用幅のアップが期待できるでしょう。

 

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空き家バンクを活用するデメリット

 

メリットが多い空き家バンクですが、デメリットも考慮する必要があります。

  • 希望者と直接やり取りする必要がある
  • トラブル対応が必要になる
  • 自治体による営業活動は期待できない

利用前に確認しておきましょう。

 

関連記事:空き家を管理する方法と注意したい潜在リスク・コストと対策方法

デメリット①希望者と直接やり取りする必要がある

空き家バンクは、不動産情報掲載のプラットフォームとして機能しますが、実際のやり取りは所有者が直接行います。
売主や買主が不動産取引に精通していない場合、コミュニケーションが難航し、取引が長引く原因になるでしょう。

また、素人同士の交渉は誤解や合意の不一致を招きやすく、結果として取引が成立しないリスクも高くなります。
所有者は、希望者との直接的なコミュニケーションと交渉スキルが求められるため、適切な準備とある程度の知識が必要でしょう。

デメリット②トラブル対応が必要になる

空き家バンクを利用する場合、所有者は交渉中・契約成立後に生じるトラブルに自ら対応する必要があります。
自治体が不動産業者と提携している場合はそのリスクを軽減できますが、そうでない場合、所有者は自力で問題解決しなければいけません。

契約内容の不明瞭さや誤解がトラブルの主な原因となる場合が多く、トラブルを防ぐためには、書面による合意記録が不可欠でしょう。

個人間でのやり取りは感情的な対立を生む場合もあるため、事前に対処法を理解し、慎重に契約手続きを進めていきましょう。

デメリット③自治体による営業活動は期待できない

空き家バンクは、営利目的のサービスではないため、物件の積極的な販売や宣伝をすることはありません。
主に情報の発信と、空き家の所有者と購入または賃貸希望者の間のマッチングを目的としています。

そのため、一般的な不動産業者がするような、積極的な営業活動や促進策は期待できません。
空き家バンクに登録した物件に対して、希望者が自動的に集まるわけではなく、場合によっては長期間にわたって反応を得ることが不可能なこともあります。

このため、所有者は自身で積極的な広告活動や、他の手段を用いた販売戦略を検討する必要があるでしょう。
すぐに結果を求める場合、従来の不動産会社を利用する方法が適切な選択かもしれません。

デメリット④修繕する場合は自費である

一般的な賃貸物件であれば、入居前に修繕されています。
入居者による過失ではない限り、設備不良や経年劣化は貸主(大家さん)が修繕費を負担するため、借主の負担が少ないのがメリットです。
一方で空き家バンクは、格安で貸し出しや売り出しを行う分、借主や購入者が修繕する契約となっているケースも少なくありません。
とくに空き家は長期間放置されていることがほとんどです。
シロアリ被害に遭っていたり屋根から雨漏りしていたりする可能性もあります。
修繕にはかなりの費用がかかるため、空き家バンクを活用する際は、修繕費は自己負担であると理解しておくようにしましょう。

空き家バンク利用の登録条件や手続き

空き家バンクを利用するには、登録条件を満たして申請手続きを行う必要があります。
便利なサービスではあるものの、すぐに利用できるわけではないので注意してください。申請が下りるまで一定期間を要するため、焦らず計画的に進めていきましょう。
ここでは、登録条件と手続きの流れを解説します。
基本的な流れをここで確認し、詳細は窓口で聞いてみましょう。

登録条件

登録できるのは、条件を満たした建物のみです。
どのような建物でも登録できるわけではないので、事前に登録条件を確認しておきましょう。
空き家バンクの登録条件は自治体ごとで異なりますが、主な条件は以下の通りです。

  1. 地方税の滞納がない
  2. 暴力団関係者ではない
  3. 所有権を有する証明書類などを所有している
  4. 物件が建築基準法や都市計画法などに違反していない

前提として、住める状態であるかどうかが重要となってきます。
もし使用不可な状態であれば、修繕してから登録手続きを行うことになるでしょう。

登録の手続き

登録の手続きには、大きく3つのステップがあります。

  1. 自治体の窓口に空き家バンク登録に関する書類を提出する
  2. 自治体の空き家バンク担当部門が現地調査を行う
  3. 空き家バンクへの登録

登録すると、次のような事柄が利用可能になります。

  • 窓口やホームページで空き家情報を閲覧できる
  • 賃貸・購入希望者から問い合わせが来る
  • 賃貸・売買の契約手続きを行う

なお、所有者と利用・購入希望者とのやり取りには不動産業者が間に入るので、専門的な知識がなくても問題ありません。

空き家バンクを利用する際の注意点

 

空き家バンクを利用する際に、あらかじめ覚えておきたい注意点が数点あります。

  • 仲介手数料が発生するケースがある
  • 所有者が責任を負うケースがある
  • 自治体ごとに支援内容が異なる

順番に解説していきます。

 

関連記事:空き家の買取相場はどのくらい?高値で売却する4つのコツ

仲介手数料が発生するケースがある

空き家バンクを通じて物件の売買・賃貸が成立する場合、自治体と業務提携している不動産会社が介在する場合があります。
このような場合、成約時に仲介手数料が発生します。

売買契約の場合、手数料は物件価格の3%+6万円、賃貸契約の場合は家賃の1カ月分が一般的。
これらの費用は不動産会社に支払われるものであり、自治体に支払うものではありません。

取引を進める際に、これらの費用も考慮しましょう。

所有者が責任を負うケースがある

空き家バンクを利用する際、所有者は契約成立までの費用や、物件の維持管理費を自己負担しなければいけません。
また、契約後に生じるトラブルや、希望者が現れない場合のリスクも所有者が負うことになります。

空き家バンクは、あくまでもマッチングの場を提供するだけであり、所有者自身が物件に関する全責任を負う認識でいるべきです。

自治体ごとに支援内容が異なる

空き家バンクの運営や支援内容は、自治体によって大きく異なります。
一部の自治体では、移住者向けに積極的なアプローチを行っており、助金の提供や補物件見学ツアーなど、さまざまな支援を提供。

一方で、最小限の運用を行う自治体もあり、その場合はサポートやサービスのレベルも低い場合が多いです。

そのため、空き家バンクを利用する前に、自身が住む地域の自治体がどのような支援を提供しているのか事前に調査し、対策を立てましょう。

空き家バンクは賢く活用しよう

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いかがでしたでしょうか?
空き家バンクの制度と仕組み、利用する際のメリットとデメリットについてお分かりいただけたかと思います。
また、利用時の注意点についても解説しました。
空き家バンクを上手に活用し、抱えている空き家問題を解決していきましょう。

空き家の活用をお考えなら、「あき家ZERO」にお任せください。
賃貸運用や売却プランなど、お客様のニーズに合わせ、最適な解決策をご提案いたします。

 

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この記事の監修者

寺澤 正博

サワ建工株式会社 代表取締役

一級建築施工管理技士

二級建築士

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。

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