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相続放棄した空き家の管理義務と管理義務から逃れる方法 | 空き家の活用・運用なら空き家ZERO
COLUMN

相続放棄した空き家の管理義務と管理義務から逃れる方法

公開日 2024.05.13 更新日 2024.06.05

「空き家の相続を放棄したいけど注意点はある?」「管理義務が発生するって聞いたけど本当?」などの疑問を抱いていませんか。今後の方針を決定できず困っている方もいるでしょう。相続放棄をすると空き家を引き継ぐ必要はなくなります。ただし、現在の状況によっては、管理義務が発生することも考えられます。ここでは、相続放棄後の管理義務と管理義務から逃れる方法、相続放棄の注意点、空き家の管理を怠るリスクなどを解説しています。空き家の扱いでお困りの方は参考にしてください。

 

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相続放棄について

 

裁判所は、相続放棄を次のように説明しています。

 

相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続放棄

引用:裁判所「相続の放棄の申述」

 

権利や義務を一切受け継がないため、マイナスの財産だけでなくプラスの財産も放棄します。空き家だけ相続放棄するなどはできません。申述は、亡くなった方(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。他の相続人の同意は必要ありません(単独で行えます)。相続放棄を選択すると、当該相続人は初めからいなかったものとなり、相続権は次の順位の方に移ります。

 

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相続放棄した空き家の管理義務はどうなる?

 

2023年3月まで、相続放棄を選択しても空き家の管理義務は残る恐れがありました。たとえば、他に相続人がいない場合は、相続財産清算人が選任されるまで、空き家の管理義務が生じました。

民法改正を受けて2023年4月以降は、相続放棄時に財産を占有しているものに限り管理義務が発生するようになりました。つまり、他に相続人がいなくても、当該住宅を占有していなければ、相続放棄を選択した方に管理義務は及びません。占有は、自分のために意思をもってものを支配している状態です。別の角度から見ると、当該住宅で暮らしている方などは、財産を占有しているため相続を放棄しても管理義務が発生すると考えられます。

 

関連記事:空き家を管理する方法と注意したい潜在リスク・コストと対策方法

相続放棄した空き家の管理を怠った場合のリスク

 

管理義務が発生した場合は、空き家の管理に注意が必要です。次のリスクなどが考えられます。

 

関連記事:空き家の放置リスクとは?手放したい方におすすめの処分方法5選

リスク①損害賠償を請求される

空き家を放置していると、近隣住民などから損害賠償請求される恐れがあります。たとえば、地震や台風でブロック塀が壊れて近隣住民を負傷させるなどのケースが考えられます。大きな事故で高額請求をされることもあるため注意が必要です。また、ずさんな管理で住宅がひどく傷んだり傷ついたりすると、これらにより債権を回収できなくなった債権者や遺言通りに財産を受け取れなくなった方から損害賠償請求される恐れもあります。

リスク②トラブルに巻き込まれる

空き家を放置していると、想定外のトラブルに巻き込まれることもあります。誰も管理していない住宅は、犯罪の温床になりやすいためです。具体的には、以下のケースなどが考えられます。

【悪用方法】

  • 犯罪グループの拠点として利用される
  • 大麻の栽培工場として使われる
  • 盗品の保管場所にされる

これらのほかにも、さまざまな使い方があるでしょう。空き家を放置していると、気づかない間に犯罪の関係者になってしまう恐れがあります。また、空き家には、放火をはじめとする火災のリスクも付きまといます。以上のトラブルには十分な注意が必要です。

リスク③相続放棄の効果がなくなる可能性がある

相続財産の処分も気をつけたいポイントです。相続放棄を選択した後であっても、相続財産を処分すると単純承認をしたとみなされます。つまり、相続放棄の効果がなくなってしまいます。単純承認の定義は次のとおりです。

 

相続人が被相続人(亡くなった方)の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ単純承認

出典:裁判所「相続の放棄の申述」

 

つまり、相続財産を処分すると、マイナスの財産も含めてすべての財産を相続することになります。負債を理由に相続放棄を選択している場合は、大きな不利益を被るでしょう。何かしらの理由で相続財産を処分したい場合は、専門家に相談する必要があります。

 

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相続放棄した人が管理義務から逃れる方法

 

相続放棄を選択しても、空き家の管理義務を負うとリスクが生じます。管理義務はどこまで続くのでしょうか。ここからは、管理義務から逃れる方法を紹介します。

 

関連記事:空き家の運用方法や注意点を紹介

別の相続人に引き継ぐ

相続放棄を選択すると相続権は後順位の方に移ります。相続順位は次のとおりです。

【相続順位】

  1. 子ども
  2. 親(直系尊属)
  3. 兄弟姉妹

後順位の方が空き家を引き継ぐと、先順位の方は管理義務から逃れられます。では、後順位の方も相続放棄を選択するとどうなるのでしょうか。この場合、管理義務は財産を占有している方に残ります。つまり、管理義務の移動は起こりません。財産を占有している方が、空き家を引き続き管理していくことになります。相続財産との関係、後順位の方の選択に注意が必要です。

相続財産清算人を家庭裁判所に申し立てる

全ての相続人が相続放棄を選択すると、管理義務は財産を占有している方に残ります。管理義務から逃れたい場合は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てて相続財産清算人を選任します。相続財産清算人の役割は次のとおりです。

 

被相続人(亡くなった方)の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして清算を行い,清算後残った財産を国庫に帰属させる

引用:裁判所「相続財産清算人の選任」

 

申し立てを行えるのは、原則として利害関係人(債権者、債務者、後見人、特別遺贈を受けた方など)と検察官です。選任された相続財産清算人に引き継げば、財産を占有していた方も空き家の管理義務から逃れられます。

空き家の相続放棄にかかる費用

 

空き家の相続を放棄すると、さまざまな費用がかかる恐れがあります。代表的な費用といえるのが、相続財産清算人の選任にかかる費用です。具体的には、次の費用がかかります。

【費用】

  • 収入印紙代:800円
  • 予納郵便切手:1,290円
  • 必要書類の取寄せ費用、官報公告料:5,075円

以上に加え、相続財産に流動資産が少ない場合は、相続財産清算人報酬などの担保として予納金を求められることがあります。予納金の金額は、申し立て後に裁判所が決定します。30~100万円程度におさまるケースが多いでしょう。ちなみに、相続財産の状況などによっては、予納金の全部または一部が返還されないこともあります。

 

関連記事:空き家に税金はかかる?維持費を抑える方法も解説

 

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空き家を相続放棄するメリット

 

空き家の相続放棄には、さまざまなメリットがあります。主なメリットは次のとおりです。

 

関連記事:空き家の有効活用10選!事例と一緒に収益化をするアイディアを紹介

メリット①不要な全ての財産を放棄できる

前述の通り、相続放棄は被相続人の権利・義務を全て受け継がない方法です。不要な財産をまとめて放棄できます。たとえば、借金などの相続を放棄することも可能です。ケースによっては、メリットの大きい選択になるでしょう。もちろん、空き家を相続しないメリットもあります。空き家を相続すると、少なくない維持管理費がかかります。経済的なマイナスを防ぎやすくなる点は相続放棄のメリットといえるでしょう。

メリット②固定資産税の支払いがなくなる

空き家を相続すると、固定資産税がかかります。固定資産税は、毎年、1月1日時点における固定資産(土地、建物など)の所有者に課される地方税です。税額は以下の計算式で求められます。

 

【固定資産税の税額】
税額=標準課税額×税率(標準税率1.4%)

市街化区域に空き家がある場合は、都市計画税も課されます。税額の計算式は次のとおりです。

 

【都市計画税の税額】
税額=標準課税額×税率(制限税率0.3%)

 

相続放棄を選択すると、これらの税金はかかりません。税負担を軽減する効果的な方法といえるでしょう。ただし、プラスの財産も放棄することになります。プラス・マイナスをよく考えて選択することが重要です。

空き家を相続放棄する際の注意点

 

空き家を相続放棄したいときは、いくつかの点に注意が必要です。特に注意したいポイントを紹介します。

 

関連記事:空き家を管理する方法と注意したい潜在リスク・コストと対策方法

手続きには期限がある

相続放棄の申述を行える期間は次のとおりです。

 

自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならない

引用:裁判所「相続の放棄の申述」

 

基本的には、被相続人が亡くなったことを知ったときから3カ月以内と考えればよいでしょう。ただし「相続の開始があったことを知ったとき」の具体的なタイミングはケースで異なります。たとえば、財産がないと信じていて、信じていたことに合理的な理由が認められるときは、財産の存在を認識したときが「知ったとき」になりえます。

相続財産の状況を調査しても、3カ月以内に承認、放棄の判断に必要な資料を得られないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられます。

相続人が複数いる場合には配慮する

同順位のすべての方が相続放棄を選択すると相続権は後順位の方に移ります。活用方法を見出しにくい空き家などがあると、これにより親族関係が悪化することがあります。相続人が複数いる場合は、相続放棄の意思を事前に伝えておくことが大切です。

ちなみに、相続順位は子ども・親(直系尊属)・兄弟姉妹の順です。被相続人のすべての子どもが相続を放棄すると相続権は被相続人の親(直系尊属)、すべての親が相続を放棄すると相続権は被相続人の兄弟姉妹に移ります。代襲相続(相続人が亡くなっているときなどにその子が代わりに相続すること)にも注意が必要です。相続人を正確に把握してから話し合いを行いましょう。

相続放棄した空き家には住むことができない

相続放棄を選択すると、当該住宅を占有している方でも居住を継続できません。権利を有していないにもかかわらず、住宅を占有している状態になってしまうためです。居住を継続したいなどの希望がある場合は、相続放棄を慎重に検討する必要があります。やむを得ず相続放棄をした場合は、当該住宅を相続した人と賃貸契約を締結して居住を継続するなどの方法が考えられます。専門家などと相談しつつ、希望を実現できる方法を探るとよいでしょう。

相続放棄は撤回できない

相続放棄は原則として撤回できません。ここでいう撤回は、相続放棄が受理されてから、将来に向かって効力を消滅させる意思表示です。相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内であっても同様です(※裁判所に受理されるまでの間は取り下げられます)。相続放棄を撤回できない理由は、他の相続人に与える影響が大きいためと考えられています。財産に関する資料を集めてから、慎重に検討することが大切です。

相続放棄の前に空き家の活用も検討

空き家の活用なら空き家ZERO

 

ここでは、空き家の相続放棄について解説しました。空き家の相続放棄は可能ですが、ケースによっては管理義務が発生します。空き家の管理を怠ると、損害賠償請求されたり犯罪に巻き込まれたりする恐れがあるため注意が必要です。相続でお悩みの方は、オーナー様の負担金0円でリフォーム工事を実施し、入居者募集などをプロが実施する空き家ZEROを検討してみてはいかがでしょうか。空き家活用のあき家ZEROにお任せください。

 

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この記事の監修者

寺澤 正博

サワ建工株式会社 代表取締役

一級建築施工管理技士

二級建築士

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。

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