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更地の固定資産税はなぜ高い?税金の計算方法と軽減のための対策方法 | 空き家の活用・運用なら空き家ZERO
COLUMN

更地の固定資産税はなぜ高い?税金の計算方法と軽減のための対策方法

公開日 2024.05.13 更新日 2024.06.06

固定資産税は、建物・土地・償却資産にかかる税金です。田畑や山林、牧場のほか塩田や池沼、雑草地や倉庫など多岐にわたり、航空機や船舶も課税の対象となります。

ここでは、建物を解体して更地にしたときの固定資産税について、計算方法や空き家にかかる税金を紹介します。

固定資産税の滞納や住宅用地の特例といった税に関するポイントを取り上げていますので、更地にかかる税金について知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

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更地の固定資産税について

 

すべての不動産には固定資産税が課税され、都市計画区域内の土地や建物には都市計画税も課税されます。

固定資産税・都市計画税は都道府県や市町村が住民に対して課税する「地方税」の一種で、地方自治体が提供する行政サービスの財源になっています。税が滞ると必要な都市機能が維持できなくなるため、納付期限までに必ず支払わなければなりません。

土地の固定資産税は「不動産鑑定評価基準」に基づいて税額を決定し、所有者に請求します。不動産鑑定評価基準によると、更地とは建物がなく借地権や地上権といった権利が付帯していない土地を指します。

住宅を建てられる土地は「宅地」と呼ばれますが、建物の有無や権利者によって、以下のような更地・建付地・借地権・底地・区分地上権に分けられます。※

 

【宅地の類型】

宅地の類型 内容
更地 建物がなく、借地権も付帯していない。所有者が自由に使える土地
建付地 建物があり、土地と建物の所有者が同一である土地
借地権 建物の有無にかかわらず、土地の所有者に賃料を払って借りている人の権利
底地 借地権をもつ人から賃料を受け取って土地を貸している所有者の権利
区分地上権 第三者の所有する土地の地下または土地の上の空間に何かを設置する際に、設置者がもつ権利

 

居住用の建物がある土地は、固定資産税について地方税法が定める「住宅用地の課税標準の特例措置」に該当するため、減税の対象となります。宅地の中の更地は、建物が建っておらず権利も付帯していない土地のため、この特例が適用されません。

※参考元:国土交通省「不動産鑑定評価基準」

固定資産税の計算方法

固定資産税は、「固定資産税評価額(課税標準)」に標準税率である1.4%をかけ合わせて算出されます。1.4%の標準税率は自治体ごとに決定されます。

課税標準は「評価替え」と呼ばれる見直しを3年に1度行い、直近では2021年に行われました。この評価額を元に固定資産税が決定しますが、更地のような土地については、地価の下落がないかぎり基本的に税額が下がることはありません。

 

関連記事:空き家の固定資産税が6倍になる理由と軽減措置を継続する方法

 

住宅用地の特例について

税負担を軽減するため、200㎡×住戸数の面積の固定資産税は小規模住宅用地として、課税標準の6分の1まで軽減されます。200㎡を超える分については、一般住宅用地として課税標準の3分の1に軽減されます。

住戸の存在しない更地は、課税標準の軽減が受けられないため通常どおり「固定資産税評価額(課税標準)」に標準税率である1.4%をかけ合わせて算出されます。

都市計画税の計算方法

都市計画税は、都市計画法によって定められた市街化区域内にある土地や家屋の所有者に課せられる税金です。

 

住宅用地の特例について

「固定資産税評価額(課税標準)」に標準税率である0.3%をかけ合わせて算出され、小規模住宅用地については課税標準の3分の1に軽減されます。200㎡を超える分については、一般住宅用地として課税標準の3分の2に軽減されています。

住戸の存在しない更地は、課税標準の軽減が受けられないため通常どおり「固定資産税評価額(課税標準)」に標準税率である0.3%をかけ合わせて算出されます。

空き家の固定資産税について

 

空き家の所有には、固定資産税や都市計画税が発生します。「特定空家」への課税も含めて、詳しく確認していきましょう。

所有者に固定資産税が課税される

居住やその他の目的に使っていなくても、空き家として所有し続けるかぎり固定資産税が発生します。

毎年1月1日の時点でその空き家を所有している人に課税されますが、所有者から相続人の元に空き家の権利がわたった場合は相続人が支払いの義務を課せられます。

その空き家が居住用の建物であれば、住宅用地の特例が適用されますが、「特定空家」に指定された場合は特例が外れるため注意が必要です。

特定空家は課税と過料が発生する

「特定空家」とは、国土交通省が定める空家等対策の推進に関する特別措置法に規定される空き家の状態です。

通常の空き家は、家主が居住しなくなってから日が浅く、比較的老朽化していない状態を指します。一方、特定空家は「倒壊などが著しく保安上危険のおそれがある」「衛生上、有害となるおそれがある」「著しく景観を残っている」といった、外観や家としての機能が失われつつある状態を指します。

特定空家に指定されると、住宅用地の特例が適用外になります。固定資産税は課税標準×1.4%、都市計画税は課税標準×0.3%の税率で計算され、最大で6分の1になる固定資産税の軽減措置は受けられません。

また、特定空家に指定されてからも行政の指導に従わず、修繕も行わなければ50万円以下の過料が課せられます。それでも修繕を実行しなければ、行政代執行と呼ばれる強制措置の対象となります。

実際の例として、埼玉県坂戸市では草木の繁茂によって屋根が剥落するおそれがあった空き家について、所有者が改善措置をとらなかったために、複数回の行政指導を行いました。

氏名を公表しても改善されなかったため、平成30年に行政代執行として草木の剪定や屋根の飛散防止措置を実施し、所有者に費用を請求しました。※

※参考元:国土交通省「地方公共団体の空き家対策の取組事例2」

 

関連記事:空き家の有効活用10選!事例と一緒に収益化をするアイディアを紹介

 

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固定資産税を滞納すると起こること

 

固定資産税は地方税の一種として、各地方自治体の警察・福祉・都市整備・環境整備やその他のサービスに充てられています。人々が生活するうえで必要な税収入のため、滞納に対しては厳しい措置がとられます。

税の滞納によってどのような措置が適用されるのか、延滞金・督促や催告書・財産調査・差し押さえの順番に確認していきましょう。

延滞金の発生

地域の生活サービスを継続するために使われる固定資産税は、納付期限をすぎると1日ごとに延滞金が加算されます。納付する税額に、定められた割合をかけ合わせて計算した延滞金が加算されます。

納期限の翌日から1ヶ月を過ぎるまでは最大で年7.3%が、それ以降の延滞は最大で年14.6%の割合で延滞金が加算されます(延滞期間により割合が異なる)。※

※参考元:国税庁「延滞税の割合」

督促・催告書が送付される

納付期限を過ぎても納付されていない場合は、土地の所有者に督促状が送付されます。督促状が届いても支払われない場合、催告書が送付されます。

土地を共有している場合は、代表者に督促状や催告書が送付されますが、納税義務は共有者全員にあります。催告書を送付しても納税されなければ、所有者に電話連絡が入ったり自治体の徴収担当者が自宅へ訪問したりと、さらに直接的な対応がとられることがあります。

財産調査が入る

通知・電話連絡・訪問といった対応に応じず固定資産税や都市計画税を支払わなければ、自治体による財産調査が行われます。財産調査は差し押さえを行うひとつ前の段階です。

税を滞納している人がどのような財産をどれだけ保有しているかを調べます。固定資産税や都市計画税の支払いが可能なのか、土地の所有者や共有者すべての状況を調査します。財産調査の結果、税の支払いが可能な財産が見つかると「差し押さえ」へと進みます。

財産が差し押さえられる

差し押さえとは、税金・保険料・債務などを滞納しており支払いが滞っている人に対して行われる金銭の回収手段です。

財産調査で判明した結果にもとづいて、地方自治体は金融機関に「差押通知書」を送付します。預金口座や給与の振込口座が差し押さえの対象になりますが、滞納者の生活状況を考慮して手取り額の一部のみが差し押さえになると決められています。

滞納者が口座を保有していなければ、不動産や自動車といった資産が差し押さえの対象となります。一例として、土地のみを所有している人が固定資産税と都市計画税を滞納し差し押さえの対象になった場合、土地の基本情報を記した登記事項証明書に「差押」という文字が入ります。

差し押さえを解除されなければ、所有者は土地を売却することができません。解除には滞納者本人または第三者による滞納分の納付が必要です(生活苦によって金銭を支払える見込みが立たなければ、返済計画を役所や役場で話して交渉し、解除されるケースもあります)

 

関連記事:空き家に税金はかかる?維持費を抑える方法も解説

 

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固定資産税が安くなる住宅用地の特例

 

住宅用地の特例とは、固定資産税にかかる金額が最大で6分の1にまで下げられる負担軽減策のことです。「住宅用地」とは、居住用の住まいがある土地という意味で、2つのタイプに分けられます。

 

【住宅用地のタイプ】

種類 詳細
専用住宅 住宅の敷地として使われている土地
併用住宅 住宅部分と事業用の部分が存在している土地(店舗兼住宅など)

 

専用住宅は、家屋の総床面積の10倍までが住宅用地として認められ、併用住宅は居住部分の割合によって住宅用地として認められる割合が変わります。

住宅用地の面積を計算し、得られた結果から区分を決定して、固定資産税と都市計画税の特例割合が決まります。

 

【住宅用地の特例割合】

区分 面積 固定資産税の特例割合 都市計画税の特例割合
小規模住宅用地 住宅1戸につき200㎡まで 6分の1 3分の1
一般住宅用地 住宅1戸につき200㎡を超えて家屋の床面積の10倍まで 3分の1 3分の2

 

面積が300㎡の更地で、固定資産税評価額(課税標準)が2,000万円の更地の場合、2000万円×1.4%=28万円が固定資産税となります。

 

関連記事:売れない空き家はどう処分するべき?方法やお得になる制度を紹介

更地の固定資産税の負担を少なくする方法

 

更地は住宅のような居住用の建物が存在していない土地のため、固定資産税の特例は受けられません。

少しでも税負担を軽くするためには、住宅を建てる以外の方向性を検討したいところです。土地活用について、6つの方法を確認していきましょう。

マンション・アパートを経営する

サワ建工_アパートマンション

更地にマンション・アパートなどの建物を建てて、賃貸経営に使用する方法です。

所有者自身が住宅として使用しなくても、土地のアクセス性や周辺環境によっては買い手や借り手がつく可能性があります。大規模な経営に乗り出す必要はなく、2階建てアパートのように単身者でも入居できる規模の賃貸住宅から始められます。

更地のままでは固定資産税や都市計画税がかかってしまうので、早めに賃貸経営に切り替えることが大切です。

駐車場を経営する

サワ建工_駐車場

費用対効果の不安や経済的余裕がなく、更地に新たな建物を建てたくない場合には、駐車場の経営が選択肢に入ります。周囲にマンションやアパートが多く点在している環境では駐車場としての需要が期待できるでしょう。

経営方式には月極駐車場とコインパーキング(時間貸し駐車場)の2種類があり、土地をアスファルトで舗装したものや立体型、シャッター付きや駐車場の事業者に土地を貸し付けて利益を得る方法と、それぞれの土地環境や需要に合わせた選択が可能です。

トランクルームを経営する

サワ建工_トランクルーム

トランクルームとは、土地や建物を使って収納・倉庫スペースとして貸し出す方法です。

ビルやマンションのような建物の中を仕切って貸し出す屋内型、外にコンテナや車庫のような建物を設置して貸し出す屋外型があり、土地だけをトランクルーム事業者に貸して地代を受け取るような経営方法も選べます。

賃貸物件は建物がなければ貸し出せませんが、トランクルームは更地の状態でも始められるため、土地活用を重視する場合におすすめです。

土地を売却する

サワ建工_貸地

不要な土地や活用の見込みがない土地は、思い切って手放すという選択肢もあります。更地は建物がなく権利も付帯していない状態です。土地を買ってすぐに使えるため流通性が高く、買い手には魅力的に映るケースが多くみられます。

売却を考える際、所有している土地が売れやすいかどうかを考え、売れる見込みが少ない土地でも不動産会社とよく相談し、早い段階で方向性を考えていくことをおすすめします。

 

関連記事:空き家を売りたいときの売却方法と流れ・メリットと注意点

農地に転用する

農地への転用とは、本来住宅用に使われる宅地を農業のために使う土地に変更することです。

農地に変更する際、複雑な手続きは不要です。しかし「現況農地」として認められなければならないため、宅地を耕して植物を栽培する必要があります。

更地にしているだけでは農業を営んでいるとは認められないため、現況農地にする作業が大切です。また、固定資産税の請求時に地目を確認し、「農地」に変更してから、登記の地目も変更しなければなりません。

竣工のタイミングを1月1日に間に合わせる

固定資産税はその年の1月1日時点で所有している人に請求される税金です。

更地の状態で放置していると、固定資産税が高いまま1月1日を迎えてしまうため、賃貸住宅や駐車場といった建物を建てる場合は1月1日に間に合わせるようにしましょう。

更地を活用して固定資産税の負担を軽減

空き家の活用なら空き家ZERO

今回は、更地にかかる固定資産税や都市計画税の金額、滞納時にとられる対応と、税の負担を軽くするための方法について紹介しました。

税金対策にはいくつかの方法があり、土地をうまく活用することで新たな使い道から収入が得られる可能性があります。

空き家活用のあき家ZEROでは、更地になっている土地の利用方法としてトランクルームや賃貸物件(戸建て・アパート・シェアハウス・貸店舗)などの選択肢を用意し、活用を提案しています。

現地調査のうえ、土地の環境や状態に適した活用方法を提案していますので、ぜひご相談ください。

 

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この記事の監修者

寺澤 正博

サワ建工株式会社 代表取締役

一級建築施工管理技士

二級建築士

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。

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