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空き家になった実家を売却する流れと必要な税金 | 空き家の活用・運用なら空き家ZERO
COLUMN

空き家になった実家を売却する流れと必要な税金

公開日 2024.05.13 更新日 2024.11.20

「空き家になった実家は売却すべき?」
「実家の売却に必要な手続きは?」
「売却にかかる税金は何がある?」
このような疑問をもつ方へ向けて、空き家となった実家の売却の流れや必要な税金、維持管理の費用などを詳しく解説しています。
また、売却以外の手放し方や、売却する際に後悔しないためのポイントも紹介しています。
実家を売却しようと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

 

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空き家になった実家は売却したほうがよい?

空き家となった実家の保有は、多くの場合、経済的負担となります。
長期間にわたって住まない家は、固定資産税の支払いや経年劣化が進行し、それに伴う修繕費が発生します。
また、遠方に住む家族が管理を担当する場合、定期的なメンテナンスや緊急時の対応が困難になりがち。
これらの状況は、結果的に不動産の価値を減少させ、将来的に売却する際に不利な条件で取引される原因になってしまうでしょう。

そのため、売却を検討する際は早めの行動が推奨されます。
時間が経過するほど、リフォームや修繕が必要となり、そのコストが増加するためです。
早期の売却が、経済的な損失を最小限に抑えると言えるでしょう。

 

関連記事:空き家を売りたいときの売却方法と流れ・メリットと注意点

空き家を売却するメリット

空き家を売却すると、所有者だった人にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
空き家は資産の一つにはなるものの、有効活用できなければ持っていても仕方がないと考える人も少なくありません。
所有していても住んだり貸し出したりしない場合は、固定資産税の支払いや修繕費用の負担などさまざまな重荷を担うことになるでしょう。
空き家を売却すると重荷を下ろせるのはもちろん、資金に余裕が生まれる場合もあります。
ここで詳しいメリットを見ていきましょう。

固定資産税を支払わずに済む

空き家の実家を売却すると、固定資産税を支払う必要がなくなります。
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地・建物を所有している人に課税される税金です。
相続した実家に住んでいない状況であっても、固定資産税の支払い義務は発生するので、負担は大きいと言えるでしょう。
また実家を空き家として放置している場合、軽減措置が適用されなくなり、税負担が増えてしまうことがあります。
放置されている空き家は倒壊のリスクがあったり、不衛生だったりする可能性があるからです。
実家を活用しない状態が続く場合は、売却検討してみるのもよいでしょう。

資金に余裕ができる

実家を売却すると、手元に資金ができます。
立地や建物の状態によっては、かなりの資金になることでしょう。
資金の使い道は自由です。
貯蓄や投資に回したり教育資金や老後資金に充てたりと旅行に使ったりと、計画的に使うとよいでしょう。
ただし、建物の老朽化が進んでいる場合は、納得のいく価格で売れないことも少なくありません。
使用可能な状況であっても、住みたいかどうかで問われると踏みとどまってしまうこともあるものです。
なるべく早く売却したかったり、高値で売却したかったりする場合は、経験豊富な不動産会社に依頼するのが良案です。
腕の良い不動産会社と契約できれば、想像よりも多く資金を確保できるかもしれません。

大規模修繕の心配がなくなる

実家を売却すると、大規模な修繕を負担する必要がなくなります。
建物は少なからず、地震や台風などの自然災害や経年劣化で徐々に耐久性が低下しているものです。
建物の寿命をのばすためには、定期的にメンテナンスしたり修繕したりする必要があります。
売却せずに所有している限り、実家に関わる責任や修繕費用は自己負担のため、心配は付きものです。
とくに1981年5月31日以前に建築された実家であれば、新耐震基準を満たしていないことも少なくありません。
耐震補強しないと震度5以上に耐えられず、倒壊してしまう危険性もあります。
実家を売却すれば責任や修繕費の心配がなくなるので、負担を減らしたい場合は売却がおすすめです。

管理の必要が無くなる

建物や土地の管理が不要になるのも、実家を売却するメリットです。
相続したままでは、庭の手入れや建物の換気、掃除などを定期的に行わなければなりません。
水漏れや耐震性に問題が発生した場合は、修繕も自己負担で行う必要があります。
遠出に実家があるとなれば、メンテナンスしに行く度に移動時間や交通費がかさみ、負担が積み重なることでしょう。
管理せずに放置していれば、建物に不具合が生じたり害虫が発生したりして、近隣トラブルにつながるリスクもあります。
相続してから住んだり賃貸に出したりしないしない場合は、思いきって売却して負担を減らすのも手段の一つです。

実家を売却する前にやること

実家を売却する前は、以下4つの準備が必要です。

  • 遺言書の確認
  • 相続の登記
  • 土地の境界線の確定
  • 実家の片付け

順番に確認していきましょう。

遺言書の確認

相続が発生した際は、まず故人が遺言書を残していないか確認します。
遺言書は、被相続人が生前に遺産の分割方法や具体的な指示を記載した法的な文書であり、存在する場合はその内容に従って遺産を分けることが原則。

遺言書がない場合、法定相続により遺産は分割されます。
遺言書には「公正証書遺言」と「自筆遺言」の2種類があり、どちらも法的な要件を満たしていれば有効とされます。

遺言書の内容が実家の売却に影響を与えるため、売却時の初期段階で行うべきでしょう。

相続の登記

相続によって実家の所有権が移転した場合、相続登記して法的に不動産の所有者が変更されます。
相続登記は義務ではありませんが、実家の売却には必要不可欠です。
登記を怠ると、将来的に不動産の権利関係においてトラブルが発生する可能性があるためです。

また、所有権の明確化は、将来の取引の安全を保証するためにも重要だと言えるでしょう。

登記は司法書士に依頼するのが一般的であり、手続きには専門的な知識が必要です。
費用は不動産の価値や地域によって異なりますが、通常は数万円から十万円程度が相場。
手続きを確実に済ますためにも、専門家への相談をおすすめします。

土地の境界線の確定

実家を売却する際、隣家との境界線が明確でないと、将来的にトラブルの原因となります。
特に古い家の場合、正式な境界線が確定されていない場合が多いです。

解決するためには測量士に依頼し、隣家との協議のもとで正確な境界線を確定する必要があります。
この手続きは、後の法的な問題を避けるためにも必須であり、不動産を正しく評価し、スムーズに売却を進めるためには欠かせません。

実家の片付け

実家を売却するにあたっては、内部を空にして状態を整える必要があります。
片付けには大きく分けて3つの方法があります。

1つ目は自力で片付ける方法で、コストは抑えられますが時間と労力がかかります。
2つ目は不用品回収業者に依頼する方法で、手間を省けますが費用が発生します。
最後に、遺品整理業者に依頼する方法は、遺品の適切な処理や貴重品の査定も含めて全面的にサポートしてくれるため、特に遠方に住む相続人にとっては便利です。

各方法にメリットとデメリットがありますので、状況に応じて選びましょう。

 

関連記事:空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?

空き家の実家を売却する場合の流れ

空き家の実家を売却する流れは、以下を参考にしてください。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 売買契約を結ぶ
  3. 売却活動を始める
  4. 空き家の引き渡しと登記を行う
  5. 確定申告をする

順番にポイントを解説していきます。

不動産会社に査定を依頼する

実家の売却を検討する際、最初のステップとして不動産会社に査定を依頼します。
このプロセスでは、複数の不動産会社に査定を依頼し、最も適切な価格を提案してくれる会社を選ぶのが大切。
近年はインターネットを活用した、一括査定サービスなども普及しています。
サービスを利用することで、家を一度に複数の不動産会社に紹介し、それぞれから見積もりを受け取れます。

これにより、時間と労力を節約しながら、広範囲の市場情報を得られるのです。
一括査定サービスはほとんど無料で提供されているため、低コストで多角的な情報が得られます。

売買契約を結ぶ

査定後に同意できる不動産会社を選んだら、次は売買契約の締結に進みます。
売買契約を結ぶ際は、媒介契約の形態を選ぶ必要があります。

媒介契約には主に3つの形態があり、それぞれの特徴は以下を参考にしてください。

 

媒介契約の形態 特徴
一般媒介契約 複数の不動産会社と契約可能で、販売活動の自由度が高い。自分で買主を見つけた場合の直接取引も可能で、不動産会社による販売活動が分散されるリスクがある。
専任媒介契約 一つの不動産会社とのみ契約し、その会社が売却活動を一手に担う。買主を自分で見つける取引も可能で、販売活動に一定の集中度を保てる。
専属専任媒介契約 専任媒介契約に加え、売主が自分で買主を見つけることも制限される代わりに、不動産会社がより積極的に販売活動できる。

 

各契約のメリットとデメリットをよく検討してから、選択しましょう。

売却活動を始める

売却活動開始時、不動産会社が実家の魅力を最大限に伝えるための、広告や宣伝を担当します。
売主としては、売り出し価格を設定し、内覧に備えて実家の清掃や整理整頓を実施します。
特に、空き家の場合は遺品整理や不要品の処分を済ませることで、内覧時に良い印象を与えられるでしょう。

内覧は売却活動において非常に重要なステップであり、購入希望者に対して実家の魅力を直接アピールする機会となります。

 

関連記事:空き家が売れないケースとは?売却のコツと具体的な方法について

空き家の引き渡しと登記を行う

買主が見つかり売買契約が締結された後は、実際に空き家を引き渡し、所有権の移転登記を行います。
このプロセスでは、司法書士が同席し、売買代金の決済および登記手続きを支援します。

引き渡しは鍵を渡し、登記は法務局で済ませます。
引き渡し自体に複雑なやり取りは発生しないため、スムーズに終えるでしょう。

また、決済当日以下の書類が必要です。

  • 本人確認書類
  • 固定資産税等納付通知書
  • 登記済権利証(登記識別情報通知)
  • 通帳・銀行印
  • 住民票実印・印鑑証明書

漏れなく正しい情報を記載し、確実に提出するようにしてください。

確定申告をする

空き家の売却から生じた売却益がある場合、その年の確定申告を通じて報告する必要があります。
売却益が存在すると、譲渡所得税が課税されることになりますが、適切な控除や特例が活用可能です。
また、売却で損失が出た場合でも、その損失を他の所得と相殺するための繰越控除などの措置が利用できます。

確定申告は、税務署に必要書類を提出し、必要に応じて税金を納付するプロセスです。
この手続きを怠ると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課せられる可能性があるため、注意してください。

 

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実家を売却した際に使える特例

実家を売却するにも、税金はかかります。
少しでも税負担を軽減するには、さまざま控除や特例を活用するのが賢いやり方です。
ここでは、実家を売却した際に活用できる3つの特例について解説します。
それぞれ適用条件や控除額、併用可否が異なるので、しっかり把握していきましょう。

空き家に係る譲渡所得の特別控除

空き家に係る譲渡所得の特別控除は、被相続人が亡くなったことで空き家になってしまった住宅を売却する際に3000万円を控除する特例のことです。
本特例は、空き家をなくすことを目的としています。
適用される条件を満たす必要があり、主に被相続人が一人暮らしをしていた場合や売却代金が1億円以下になる場合などが対象です。
戸建て住宅が対象のため、アパートやマンションの場合は適用されないので注意しましょう。
また前提として耐震基準を満たしている必要があります。
しかし、リノベーションで耐震補強したり更地にしたりして売却する場合も適用される場合があるので、事前に確認しておきましょう。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、戸建てだけではなく賃貸アパートや貸駐車場、事業所などの土地の評価額を減額する特例のことです。
対象となる土地面積の目安としては、約200〜400㎡になります。
面積内であれば相続税評価額が80%減税されるため、負担が大幅に軽減されるでしょう。
適用条件として、相続直前まで相続人と被相続人が同居していたことが挙げられます。
ただし、同居していなかった場合でも適用される場合があるので一度確認してみるとよいでしょう。
なお本特例を利用する場合、取得費加算の特例と併用できません。
それぞれの概を確認し、どちらが現状にとって有利であるか検討しましょう。

取得費加算の特例

取得費加算の特例は、相続した空き家の実家を売却する際に発生する相続税の一部を取得費として加算し、譲渡所得を減らす特例のことです。
不動産を売却した際に発生する譲渡取得の課税対象は、「売却代金ー不動産取得費ー手数料」になります。
今回のように空き家を相続した場合は取得費がかかっていないため、売却して得た利益が全額所得対象になります。
これでは課税額が増えてしまいますが、本特例を活用することで相続税を「取得費」として加算することができます。
結果、譲渡所得税を軽減でき、税金負担を抑えることができるのです。
なお相続開始日の翌日から3年10ヶ月以内に売却した空き家が適用されるので、期間には注意しましょう。

空き家の実家の売却にかかる税金

空き家の実家の売却には、以下の税金が発生します。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税
  • 相続税
  • 復興特別所得税
  • 消費税

一つずつ見ていきましょう。

印紙税

実家の売却に際して、契約書には必ず印紙税が課されます。
印紙税は売買契約書を法的に有効にするために必要で、契約書に貼付される収入印紙を通じて支払われます。

印紙税の額は、売買する不動産の価格に基づいて決定。
通常は郵便局や一部の金融機関で購入可能な、収入印紙を使用して納付します。

 

契約書の金額 印紙税
500万円以下 1,000円
1,000万円以下 5,000円
5,000万円以下 10,000円
1億円以下 30,000円
5億円以下 60,000円
10億円以下 160,000円
50億円以下 320,000円
50億円超え 480,000円

 

誰が印紙税を支払うかは契約によって異なり、売主が支払うこともあれば、場合によっては仲介業者が負担することもあります。

登録免許税

実家の名義変更、相続登記を行う際は登録免許税が発生します。
不動産の名義変更を公的な記録として登録する際に発生し、固定資産評価額の0.4%が一般的な税率です。

相続登記は、不動産の所有権移転を正式に行政に記録する重要な手続きであり、適正に行われないと将来的な不動産の売買や、利用に支障を来す可能性があります。

譲渡所得税

不動産の売却によって利益が発生した場合、その利益に対して譲渡所得税が課税されます。
所得税と住民税が合算され、保有期間によって税率が異なります。

具体的には、不動産を5年超保有していた場合、利益に対して20%(所得税15%+住民税5%)の税率が適用され、5年以内の場合は39%(所得税30%+住民税9%)の税率が適用。

これにより、長期保有するほど税負担が軽減される設計となっており、売却時の計画において重要な要素と言えます。

相続税

相続税は、実家など不動産を相続した際に発生する税金です。
相続税の計算は、遺産総額から法定の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を差し引いた金額に対して行われます。

例えば、遺産総額が4,000万円で相続人が3人の場合、課税遺産総額はマイナスになるため、相続税は発生しません。
相続税の申告と納税は、相続開始を知った翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。

復興特別所得税

復興特別所得税は、東日本大震災の復興支援のために設けられた税金で、所得のある全ての個人に適用されます。
所得税額に2.1%を乗じて計算され、所得税と一緒に納付されます。

税金は一定期間だけ課される特別な税であり、所得がある限り誰もが負担することになります。
復興特別所得税は、社会全体で復興を支援するための財源として、重要な役割を果たしているのです。

消費税

不動産売却における消費税は、売却対象が事業者によるものかどうかによって異なります。
個人が自己の住宅を売却する場合、消費税の課税対象外ですが、事業者が不動産を売却する場合は、建物部分に対して消費税が課税されるのを覚えておきましょう。

売却は、建物と土地を分けて評価し、建物部分にのみ消費税を適用します。
また、事業者が前々年の課税売上が1,000万円を超える場合は、消費税の納税義務が発生。
消費税の処理は、売却価格設定と税務申告に影響を与えるでしょう。

 

関連記事:空き家に税金はかかる?維持費を抑える方法も解説

 

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空き家の維持・管理にかかる年間費用の目安

空き家の維持・管理にかかる年間費用の目安と項目について解説します。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険
  • 光熱費
  • 修繕費用
  • 庭木の剪定費用
  • 不法投棄された粗大ごみの処分費用
  • 豪雪地帯での雪下ろしと排雪費用

関連記事:空き家を管理する方法と注意したい潜在リスク・コストと対策方法

固定資産税

固定資産税は不動産を所有している全ての人が支払う税金で、その額は不動産の固定資産税評価額に基づいて計算されます。
一般的に、固定資産税の税率は市区町村によって異なりますが、多くの場合は1.4%です。

例えば、固定資産税評価額が1,000万円の建物を所有している場合、年間の固定資産税は14万円となります。
また、住宅用の土地が200㎡以下の場合は、評価額の1/6に評価される優遇措置があり、さらに税負担が軽減されます。

都市計画税

都市計画税は、市街化区域内の土地や建物に対して課せられる税金です。
税金の目的は、都市計画に基づく公共施設の整備や、維持に貢献すること。

税率は自治体によって設定されていますが、一般的には0.3%程度です。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の建物に対する都市計画税は年間3万円となります。

また、住宅用土地に対しては、固定資産税評価額の1/3で計算される優遇措置が適用される場合もあり、税負担が減少します。

火災保険

空き家の維持管理において、火災保険は不可欠な要素です。
建物の構造、立地、築年数に基づいて保険料が異なります。

一般的に年間の保険料は数万円から数十万円程度となり、建物が古いほど、また地震リスクの高い地域に位置する場合は保険料が高くなる傾向に。

また、火災保険は万一の火災だけでなく、その他の自然災害による損害もカバーしています。

光熱費

空き家でも電気や水道の契約を維持している場合、基本的な使用料が毎月発生します。
例えば、電気代であれば月額基本使用料が約1,400円(50Aの場合)で、1年間で計算すると約16,800円になります。

光熱費は高額ではないものの、継続的に支出する必要があるため、長期にわたって空き家を保有する場合は、費用削減のために契約内容の見直しも検討するべきでしょう。

修繕費用

建物の老朽化に伴い、瓦のズレ、雨漏り、壁材の破損などさまざまな修繕が必要になる場合があります。
修繕するには専門業者の依頼が必要で、費用は小規模な修繕でも数万円、大がかりな修繕には数百万円かかることも。

定期的な点検と必要に応じた修繕は、建物を適切に維持するために不可欠ですが、費用は維持管理の大きな部分を占めるため、計画的に予算を設定しましょう。

庭木の剪定費用

空き家の庭木管理は、見た目の維持だけでなく、近隣トラブルの防止にも直結します。
庭木が過度に伸びると、その枝葉が隣地に侵入することでトラブルの原因となるため、年2回から4回の剪定が推奨されます。

剪定作業は専門の造園業者に依頼するのが一般的。
1回の剪定につき約5万円が目安でしょう。

年間で見ると、10万円から20万円の費用が必要となります。

不法投棄された粗大ごみの処分費用

空き家の敷地内に粗大ごみが不法投棄される事例は少なくありません。
このような場合、不法投棄者が特定されない限り、処分費用は不動産所有者が負担することになります。

粗大ごみ一つの処分に、数千円から1万円程度かかるのが一般的ですが、量が多い場合や処分が困難な物がある場合は、それ以上の費用が発生するでしょう。

豪雪地帯での雪下ろしと排雪費用

豪雪地帯に位置する空き家では、積雪による建物の損傷を防ぐため、冬季に定期的な雪下ろしや排雪が必要です。
この作業は専門業者に依頼するのが一般的で、作業費用は雪の量や作業の困難度によって変動します。

一回の作業につき、数万円の費用が発生するでしょう。
シーズンを通して数回の作業が必要になるため、年間で数十万円の費用が必要になる場合も考えられます。

年間費用の目安

これらの費用を総合すると、空き家の維持・管理費用は年間数十万円〜数百万円に及ぶのが一般的でしょう。
さらに、不動産の価値を維持または向上させるための投資も必要。

空き家の管理はコストとリスクを考慮した上で、長期的な計画を立てましょう。

売却以外で空き家になった実家を手放す方法

売却以外で空き家になった実家を手放す方法としては、賃貸経営と土地活用がおすすめです。
以下のポイントを参考に、売却以外の方法も検討しましょう。

賃貸経営

空き家となった実家を賃貸物件として活用するのは、継続的な収入を得る一つの方法です。
実家を賃貸にすることで、物件を保持しつつ家賃収入を得られます。
特に遠方に住んでいる場合でも、物件管理は専門業者に委託するケースが多く、入居者からの問い合わせや日常のトラブル対応も代行してもらえるため、所有者の手間を大きく削減できるでしょう。

ただし、古い建物ではリフォームなどの初期投資が必要となり、数百万円の費用がかかることも。
リフォーム費用を家賃収入でカバーできるかどうかも、賃貸経営の成功を左右します。

また、市場の需要に応じて物件を用途転用する選択肢もありますが、適切な立地や建物の条件が求められます。

土地活用

空き家の実家が立地している土地を、別の方法で活用する選択肢も覚えておきましょう。
例えば、建物を解体して駐車場、トランクルーム、コインランドリー、貸し農園、太陽光発電施設などで利用できるでしょう。

建物自体の状態にかかわらず、土地の価値を生かせるため、特に築年数が経過した建物に対する効果的な対策と言えるでしょう。

土地活用は、比較的低リスクで持続可能な収益を見込め、空き家問題の解消にも寄与します。
しかし、各活用方法には市場の需要や立地条件が大きく影響するため、事前の市場調査と計画的な投資が必要です。

 

関連記事:売れない空き家はどう処分するべき?方法やお得になる制度を紹介

実家を売却するうえで後悔しないために押さえておきたいポイント

実家を売却するうえで後悔しないためには、以下2点を覚えておきましょう。

  • 相続してから3年以内に売却する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する

順番に確認していきましょう。

ポイント①相続してから3年以内に売却する

相続した実家を売却するなら、3年以内に済ませるのがおすすめです。
3年以内であれば譲渡所得税の特例を受けられ、節税効果が期待できるためです。

この特例は、相続から発生した不動産の取得費を実際の取得費に加算できるため、譲渡所得税の大幅軽減が期待できます。

早期の売却は税負担を減らすだけでなく、維持管理費の削減や、不動産価値の減少リスクを避けることにもつながるでしょう。

ポイント②複数の不動産会社に査定を依頼する

実家の売却を成功させるには、複数の不動産会社に査定依頼しましょう。
各不動産会社によって査定額が異なるため、複数社からの見積もりを比較することで、実家の市場価値を正確に把握できます。

一括査定サイトを活用すると、簡単に複数の不動産会社から査定を受けられ、より高い価格での売却や、より良いサービスを提供する不動産会社を選べるでしょう。
また、査定結果をもとに売却戦略を立てることも重要であり、不動産会社選びは売却成果を大きく左右するため、慎重に行いましょう。

 

関連記事:空き家の放置リスクとは?手放したい方におすすめの処分方法5選

実家の空き家の売却は早めに行動を

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いかがでしたでしょうか?
空き家になった実家の売却の流れや、売却に必要な手続き、かかる税金についてお分かりいただけたかと思います。
また、空き家を効果的に活用する方法や、売却時に注意すべきポイントもご紹介しました。
本記事を参考に、実家の空き家問題を解決していきましょう。

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この記事の監修者

寺澤 正博

サワ建工株式会社 代表取締役

一級建築施工管理技士

二級建築士

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。

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