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空き家になった実家の相続で気をつけたい点と検討しておきたい対策 | 空き家の活用・運用なら空き家ZERO
COLUMN

空き家になった実家の相続で気をつけたい点と検討しておきたい対策

公開日 2024.05.13 更新日 2024.11.20

空き家になった実家を相続する場合は、起こりやすいトラブルを把握したうえで、適切な維持管理を心がける必要があります。管理を怠り特定空き家に指定されると、ペナルティを課される恐れがあるためです。ここでは、実家が空き家になる主な理由、空き家になった実家で起こりやすいトラブル、相続に備えて検討しておきたい対策、遺産分割の方法などを解説しています。実家の相続で不安を感じている方は確認しておきましょう。

 

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相続による実家の空き家問題

 

空き家の実家を相続すると、さまざまな問題が生じます。まずは、2018年における空き家の内訳を紹介します。

 

空き家の種類 戸数
賃貸用住宅 432万7,000戸
売却用住宅 29万3,000戸
二次的住宅(別荘など) 38万1,000戸
その他住宅 348万7,000戸

 

相続した実家(空き家)は、主に「その他住宅」に分類されると考えられます。原則として、明確な用途、利用予定はないためです。したがって、住宅の管理に前向きではないケースも存在します。適切に管理されていない住宅は、近隣住宅に悪影響を及ぼす恐れがあります。この点が、相続した実家(空き家)の主な問題点といえるでしょう。

出典:総務省統計局「平成 30 年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要」

 

関連記事:放置空き家の割合・放置に潜むリスクと有効活用のための解決策

実家が空き家になるケース

 

実家が空き家になる理由は、ひとつではありません。以下のケースなどが考えられます。

両親が急逝した場合

何かしらの理由で両親が急に亡くなると、実家が一時的に空き家になることがあります。突然死の主な理由としてあげられるのが、脳卒中や心筋梗塞などの病気です。このようなケースでは、両親が亡くなってから、遺産分割の方法について相続人で話し合うことになります。話し合いの結論は、簡単にはでないことが多いでしょう。相続人の意見が対立すると、遺産分割調停に発展することも考えられます。結論がでるまで、実家は空き家になる恐れがあります。

両親に介護が必要になる場合

両親が要支援・要介護状態になることも実家が空き家になる理由です。特に、両親のどちらかが一人暮らしをしている場合はリスクが高いといえます。自立した生活を継続することが難しくなるためです。子どもの家に転居したり介護施設などに入居したりすることが考えられます。残念ながら、すべてのケースで自宅へ戻れるわけではありません。転居や入居をきっかけに、実家が空き家になってしまうこともあります。

両親の判断能力に問題が生じた場合

両親の認知機能の低下も、実家が空き家になる理由です。認知機能の低下により、介護などを必要とするケースがあるためです。たとえば、介護保険施設のグループホームは、認知症の診断を受けた方を対象としています(介護予防認知症対応型共同生活介護は要支援2~対象)。

契約の締結に、意思能力が必要とされる点にも注意が必要です。両親の認知機能が低下すると、自宅を簡単に売却できなくなることがあります。つまり、施設への入居などで実家が空き家になるとわかっていても処分できないことがあるのです。この点も実家が空き家になりやすい理由と考えられます。

 

関連記事:所有者不明の空き家はなぜ発生する?対処法や新たなルールについても

実家を空き家の状態で相続した場合に起こること

 

空き家の実家を相続すると、さまざまなトラブルが起こりえます。考えられる主なトラブルは次のとおりです。

特定空き家指定によるペナルティ

相続した空き家を適切に管理していないと、特定空き家に指定される恐れがあります。特定空き家の定義は次のとおりです。

 

そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

引用:e-GOV法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」

 

特定空き家は、勧告を受けると固定資産税などの軽減措置を受けられません。また、命令に違反すると50万円以下の過料に処されることなどもあります。

 

関連記事:空き家を管理する方法と注意したい潜在リスク・コストと対策方法

近隣住民への被害

適切に管理していない空き家は、近隣住民へ悪影響を及ぼすことがあります。具体的な影響はケースで異なりますが、雑草や庭木が生い茂って景観が悪くなる、ゴミが不法投棄されて悪臭が漂う、不審者が出入りして地域の治安が悪くなるなどが考えられるでしょう。対策を講じないと、近隣住民から迷惑な空き家、迷惑な所有者などと認識されるかもしれません。また、老朽化でブロック塀などが倒壊して、近隣住民に直接的な被害を及ぼす恐れもあります。ケースによっては、損害を賠償しなければならないため注意が必要です。

固定資産税の管理と負担

固定資産税は、土地、住宅等の固定資産にかかる地方税です。毎年、1月1日時点の固定資産の所有者に対して課税されます。税額の計算式は「課税標準額×税率(標準税率1.4%)」です。相続した実家が空き家であっても、固定資産税はかかります。つまり、所有しているだけで税負担が発生するのです。また、適切に管理しないと、特定空き家に指定されてペナルティを科される恐れもあります。したがって、空き家の管理には、お金と手間がかかるといえるでしょう。相続した実家が空き家になっている場合は、これらの点を加味しておく必要があります。

 

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実家が空き家になったときに備えた相続の対策

 

空き家になった自宅を相続すると、以上のトラブルなどが考えられます。あらかじめ対策を講じておくことが大切です。基本の対策を紹介します。

売却する

自宅を売却して現金化しておくと、固定資産税はかかりません。また、相続後に管理する必要もなくなります。遺産を分割しやすくなる点も魅力です。ただし、子どもの家に引っ越すなど、両親の新たな住まいを探す必要があります。

解体する

古家付きの土地は、売却しにくい傾向があります。建物を解体して更地に戻すと、買手を見つけやすくなります。建物に価値がない場合は、解体を検討するとよいかもしれません。ただし、建物がなくなると、特例措置を受けられないため固定資産税が高くなります。

 

関連記事:空き家の解体費用の相場を紹介

寄付・贈与する

空き家になった実家を相続した場合、維持管理が難しいと判断すれば、寄付や贈与といった形で他者に引き渡す方法も検討できます。これには自治体や団体に寄付するケースや、親族や信頼できる知人に贈与するケースがあります。寄付や贈与によって資産を手放すことで、固定資産税や維持費といったコストから解放されるだけでなく、建物の老朽化によるリスクも回避できるのが大きなメリットです。
しかし、寄付や贈与には慎重な判断が求められます。自治体や団体によっては、老朽化や耐震性の問題がある物件は受け入れを拒否される場合もあります。さらに、贈与には贈与税がかかることがあるため、事前に税理士などの専門家と相談し、税負担を確認しておくことが重要です。また、贈与を検討する際には、将来的な維持管理の責任を誰が負うかを明確にし、相手の同意を得るようにしましょう。
このように、寄付や贈与は有効な選択肢ですが、相手側の受け入れ条件や税負担についても事前に十分に調べてから決断することが大切です。

相続放棄

相続放棄を選択することで、相続財産にかかる固定資産税の支払い義務は免除されるものの、相続財産管理人が正式に管理を開始するまでの間、放棄した空き家の管理義務は相続人に残ります。つまり、税負担はなくなっても、空き家が放置されて「管理不全空き家」と見なされるリスクがあるため、最低限の管理が求められるのです。また、相続放棄した空き家は、最終的に民法の規定により国に帰属されますが、その手続きには財産管理人の選任や財産調査などが必要で、手続きが煩雑で時間がかかります。その間も管理責任が一時的に相続人に残ることがあるため、相続放棄を選ぶ場合は専門家に相談し、可能な限りスムーズに手続きを進められるよう備えておくことが重要です。

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空き家の実家を遺産分割する方法

 

相続人が複数いる場合は、原則として話し合いで遺産分割方法を決める必要があります。遺産分割の方法は以下の4つです。それぞれの概要とメリット・デメリットを紹介します。

①現物分割

遺産の形を変えずに相続する方法です。たとえば、長男は実家の土地と建物、次男は預貯金、三男は有価証券を相続するなどのケースが該当します。

 

メリット

現物分割のメリットは、手軽さといえるでしょう。現物をそのまま分割するため「誰が何を何割相続する」などを考える必要はありません。また、土地や建物などを売却して現金化するなどの手続きも不要です。時間と手間をかけずに遺産を分割したいときや相続人同士の話し合いがスムーズに進むときに向いている方法と考えられます。

 

デメリット

ただし、現物分割は公平性を維持しにくい傾向があります。相続する財産により価値は異なるためです。たとえば、実家(建物と土地)の価値が3,000万円、預貯金の残高が1,000万円などのケースもあります。流動性は異なりますが、価値だけでみると大きな差があるといえるでしょう。相続人の価値観によっては、現物分割だと話し合いがまとまらないことも考えられます。

②代償分割

ある相続人が相続財産を現物で取得し、他の相続人に自分の財産を支払う方法です。たとえば、ある相続人が土地と建物を取得し、他の相続人に現金を払うなどが考えられます。

 

メリット

代償分割のメリットは、公平な遺産分割を実現できることです。現物を取得した相続人が、合意した金額(代償金)を他の相続人に現金などで支払うため、現物分割などに比べて不満は生じにくいといえます。たとえば、2,000万円の価値がある住宅を長男と次男で相続するとします。長男が住宅を取得すると、次男は取得分がなくなるため不満を感じるでしょう。代償分割で長男が次男へ1,000万円を支払えば公平な遺産分割を実現できます。

 

デメリット

主なデメリットは、代償金の算出が難しいことです。同じ住宅でも、評価方法で代償金の金額は異なります。代償金の金額で対立して、遺産分割協議が円滑に進まないこともあります。また、代償金を支払う相続人の金銭的な負担が大きくなる点にも注意が必要です。当該相続人に一定の資金力がないと選択しにくい方法といえるでしょう。合意があれば分割払いにできますが、未払いなどで揉めることも考えられます。

③換価分割

相続財産を売却して、売却代金を相続人で分割する方法です。たとえば、住宅を現金化してから分割するなどが考えられます。相続財産に占める不動産の割合が高いときに選択されやすい分割方法です。

 

メリット

換価分割のメリットは、相続財産の内容に関わらず公平な遺産分割を実現できることです。買主と合意した価格で売却するため、評価額(売却額)についても納得を得やすいでしょう。代償金の支払いが不要になる点もポイントです。相続人の資金力に関わらず選択できます。また、相続財産を現金化するため納税資金を確保できる点も魅力です。

 

デメリット

売却で譲渡益がでると、所得税と地方税がかかります。不動産会社のサポートを受けると仲介手数料もかかります。これらの経費が発生する点には注意が必要です。また、必ずしも市場価格通りに売れる保証はありません。たとえば、売却を急いでいると、買主との交渉を優位に進めにくくなります。換価分割を選択するときに気をつけたいポイントです。

④共有分割

相続財産を複数の相続人で共同所有する方法です。分割方法が決まらないときに、法定相続割合に従い不動産を共同所有するなどが考えられます。

 

メリット

共有分割のメリットは、相続財産を売却せず公平に分割できることです。誰にとっても、わかりやすい分割方法といえるでしょう。相続した住宅を賃貸にだしたときに、不動産収入を持ち分に応じて分けられる点も魅力です。不動産収入にかかる所得税を抑える効果を期待できます。

 

デメリット

共有分割を選択すると、不動産の扱いは難しくなります。売却に全員の同意が必要になったり、改装に過半数の同意が必要になったりするためです。二次相続、三次相続が発生すると権利関係はさらに複雑になります。意見の対立で身動きをとれなくなることもあります。また、固定資産税を誰がどのように負担するかなどで揉めるケースも少なくありません。メリット・デメリットを踏まえたうえで選択することが大切です。

 

関連記事:空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?

実家を相続する際の注意点

実家の相続は他の財産とは異なる特有の事情が多く、計画的に進めることが必要です。相続財産の中で最も感情的な結びつきが強いものの一つであり、適切な手続きを行わないと不要な負担やトラブルが生じる可能性があります。相続した後の維持費や、活用方法に関する決断が必要になるため、注意深く検討しておくことが重要です。

実家以外の相続財産がない場合

実家以外の資産がない場合、相続人にとって実家そのものが大きな財産となりますが、同時に現金化しづらい資産でもあります。売却や賃貸での活用を検討する場合も、家屋の状態や市場の需要に応じた費用が必要になることも少なくありません。そのため、現金資産のない状況で固定資産税や維持管理費が発生する実家をそのまま持ち続けるか、早めに活用方法を決めて必要な対策を講じるかについて慎重に考える必要があります。

一時相続で配偶者が相続する場合

一時的に配偶者が実家を相続するケースも考えられます。この場合、配偶者が健在な限り実家を維持管理できますが、次の世代への相続が発生するときに新たな手続きが必要となります。また、配偶者が高齢である場合、維持や管理の負担が大きくなる可能性があるため、相続の早い段階で次世代への引き継ぎ方法を考えることも重要です。遺言や贈与の活用によって次世代にスムーズに相続させる準備をすることで、負担を減らし、トラブルを未然に防ぐことができます。

解体してさらにした場合

実家を解体し、更地として維持するという選択肢もあります。解体費用は発生しますが、老朽化した空き家を放置するリスクを避けることができ、管理の手間が大幅に軽減されます。ただし、更地にすることで固定資産税が住宅用地特例の対象外となり、税額が上がる場合もあるため、その負担を考慮したうえで判断する必要があります。将来的に売却や活用を検討している場合には、周辺の土地需要や計画をよく確認し、どの選択が有利かを検討しておくことが重要です。

空き家の実家は活用方法を検討

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ここでは、空き家になった実家の相続について解説しました。空き家の実家を相続すると、住んでいなくても固定資産税や管理費などがかかります。管理を怠ると、特定空き家に指定される恐れがあるため注意が必要です。
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この記事の監修者

寺澤 正博

サワ建工株式会社 代表取締役

一級建築施工管理技士

二級建築士

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。

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