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空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは? | 空き家の活用・運用なら空き家ZERO
COLUMN

空き家の活用事例を紹介!建物を壊さない利活用とは?

公開日 2024.10.18 更新日 2024.10.18

空き家を何とかしたい、賃貸で収益を得たいなど、所有してる建物を有効活用する方法を知りたい方も多いでしょう。

空き家は、何もせずに保有しているだけでも税金や管理費などがかかるため、上手に維持管理できて収入を得られる方法を検討することをおすすめします。

本記事では、空き家の活用法について、空き家対策、活用の種類、注意点などを解説します。

空き家とは?

空き家とは居住者のいない家のことです。「空家等対策の推進に関する特別措置法」の第2条の規定では、「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」と定義されています。

「総務省・住宅・土地統計調査・2023年」によりますと、日本における空き家率については、過去最高の結果となっています。

  • 空き家数:900万戸(2018年【849万戸】と比べて51万戸の増加)
  • 空き家率:13.8%(2018年【13.6%】から0.2ポイント上昇)
  • 長期不在・取壊す予定の空き家:385万戸(2018年【349万戸】から37万戸増加)

国や地方自治体の空き家対策

空き家数の増加は、今や社会問題のひとつとなっており、国や地方自治体は、さまざまな方法で空き家対策の取り組みを推進しています。

ここでは、空き家対策に知っておきたいポイントを紹介します。

空家等対策の推進に関する特別措置法

増加する空き家を減らすための法律です。放置すると倒壊の恐れや保安上の危険を伴う建物を「特定空家」と定め、「特定空家」に指定された建物の所有者への管理指導を行います。

以下は、所有している空き家が「特定空家」に指定された場合の主なデメリットです。

  • 空き家の管理について行政より助言があり改善が求められる
  • 固定資産税の優遇措置から除外される(課税標準1/6の減額がなくなる)
  • 命令違反として50万円以下の罰金が科される
  • 所有者の代わりに行政が建物の解体を行い、費用は所有者の負担となる

したがって、空き家の所有者は、解体、または売却や賃貸などで空き家活用の対策を行うことをおすすめします。

空き家に係る譲渡所得の特別控除

相続した空き家を一定の条件で売却すると、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。

以下は、空き家の特別控除に適用される主な条件です。

  • 相続開始の日から3年後の12月31日までに売却する
  • 対象となる建物が1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されている
  • 被相続人が1人で生活していた住居である
  • 相続してから売却まで継続して空き家である
  • 売却代金が1億円以下である
  • 空き家の売却先が親族以外の第三者であること
  • 土地と建物の両方を相続している

相続登記の義務化

2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されています。

以下は、義務化について押さえておきたいポイントです。

  • 不動産の相続人は、所有権の取得を知った日から3年以内に登記申請をすること
  • 期限内に登記をしなかった場合、法務局から催告がくる
  • 法務省の催告に従わない場合は、10万円以下の過料の適用対象となる

相続登記が義務化される以前は、空き家が増加することで景観や治安が悪化したり、建物の倒壊や火災のリスクが高まること、地域活性化が阻害されるなど、さまざまな社会問題が起きていました。

そこで、登記申請の義務化によって、所有者不明の土地や空き家の増加を防止することに繋がっています。

解体、耐震診断、耐震改修は自治体により助成制度も

倒壊の恐れがある耐震性の低い建物の場合、耐震改修工事費用などを自治体からの助成金や補助金を利用して行うことができます。

工事などに使える助成金・補助金制度の対象は、老朽化した空き家、旧耐震基準の家屋などが大半です。

例えば、東京23区内で空き家の多い世田谷区では、木造住宅の耐震化を支援しています。

耐震改修工事で限度額100万円の助成が受けられて、耐震診断や相談を無料で受け付けています。

なお、助成金・補助金が適用される条件については、各自治体によって異なるため、実際に利用する際は、管轄の自治体に問い合わせて確認することをおすすめします。

空き家を所有したらどうする?

では、もし空き家を所有した場合、どんな選択があるのか整理しながら確認していきましょう。

空き家を利用したビジネス、または何もせずに保有する、売却して利益を得る、相続を放棄するなど、4つのパターンについて解説します。

活用する

建物をリフォームして活用する、または建物を解体して更地にし土地活用する方法があり。

空き家の立地条件に合わせたビジネスモデルによって収益を得ることができます。

空き家を活用したビジネスモデルは、主に以下の事業があげられます。

  • 戸建て賃貸
  • シェアハウス
  • 民泊・カフェ経営
  • 駐車場経営
  • コインランドリー経営
  • トランクルーム経営
  • 介護施設経営

保有する

相続した建物を二次活用することなく、そのまま保有することもできます。いずれ将来住む予定があったり、とりあえず放っておいても問題ない場合は、何もしないという選択も有ります。

ただし、空き家は、保有するだけでも維持費や税金がかかります。放置している期間が長くなるほど、建物の劣化によって修繕費が高くなり資産価値が低下するため、どこかのタイミングで、売却または空き家を活用して収益を得るなど対策を考えることをおすすめします。

売却する

空き家を売却する方法には、そのままの状態で売却する、リフォームして売却する、建物を解体して売却するなど、いくつかの選択技があります。

売却する際は、まずはじめに不動産会社に査定を依頼して査定額を知ることから始めます。

次に、仲介会社を介して、売却価格を決めて売り出しの告知をし、買主との交渉を行って、契約、引き渡しという流れで進めていきます。

仲介依頼する不動産を選ぶ際は、空き家売却に経験と実績があり、空き家のある地域に近い会社を選んだ方が安心です。

相続放棄する、相続土地国庫帰属制度を利用する

建物はいらないので相続放棄したい場合は、「相続土地国庫帰属制度」について確認しておきましょう。

「相続土地国庫帰属制度」とは、相続した土地を国が引き取る仕組みです。土地管理をすることができない、遠くの土地なので使えない等の場合に土地を手放す方法として利用できます。

以下は、「相続土地国庫帰属制度」の手続きの主な流れです。

  • 法務局に相談する
  • 申請書類の作成し、必要書類を揃える
  • 法務局へ申請する
  • 申請された土地に出向いて実地調査が行われる
  • 審査による承認・不承認の​通知が届く​
  • 承認されていたら​負担金を納付する

空き家の活用方法

では、空き家を活用してお金に変えたいという方に、いくつかのビジネスモデルを紹介しましょう。

店舗として貸す

空き家を店舗用に改装することで再利用することができます。

内装を古民家風にデザインしたり、元の古いイメージを新しくリフォームすることで、新築とは異なる空き家ならではの雰囲気を作ることも可能です。

お店のコンセプトによっては、駅前や好立地のエリアでなくても隠れ家的お店というイメージで宣伝できれば、収益につなげることも期待できます。

店舗活用は一般的な賃貸物件で運用するよりも収益性が高い方法としておすすめです。

時間貸しスペースとして貸す

内装工事など初期費用をなるべく減らして活用したい場合は、時間制のレンタルスペースとして運用できます。

パーティや女子会、誕生日会、懇親会、面接や研修会場、セミナーや交流会、ワークショップ、勉強会、フィットネスやヨガスペースなど、幅広い用途で利用することができます。

レンタルスペースの需要は、都市部だけでなく地方や住宅街でも、用途によっては利用する人も多く、地域性に根ざした小さなコミュニティにマッチングすれば、継続的な利用者も見込むことができます。

シェアオフィスとして貸す

最近では、複数の企業や個人で1つのスペースを共有するオフィスの需要が高まって来ています。リモートワークやITツールの普及により、シェアハウスを利用した働き方の多様性が拡がっています。

空き家スペースに、オフィス家具、OA機器、電話、ネット回線、ロッカーなど、必要な設備を用意することで貸し出すことができます。

また、会員数を増やすことで、高い収益を得ることも期待できます。

介護事業者に貸す

高齢者が生活しやすいようにリフォームすることで、介護施設として事業者に貸し出すことができます。介護事業者に貸し出した場合、長期的に貸すことができるので、安定した収益を見込むことができます。

介護施設として活用する場合は、バリアフリーに改修する必要があるため初期費用がかかりますが、サービス付き高齢者向け住宅として登録すれば、補助金や助成金を受給することも可能です。

民泊として利用する

宿泊施設として活用することもできます。管理会社に業務代行してもらうことができるので、運用する手間暇の負担がなく収益にも繋げることも可能です。

また、個人に賃貸物件として貸し出すよりも宿泊施設で収益を得た方が収入も高くなり、利益率が高くなる傾向です。

ただし、宿泊施設として活用する場合は、集客する戦略を立てておく必要があります。

戸建て賃貸物件として利用する

不動産に依頼して戸建て賃貸物件として活用することができます。

毎月、安定した収入が得られて家の老朽化を防ぐことや防犯上のリスクも軽減できます。

家賃については、大規模なリフォームをしてきれいに整備した方が高い賃料を設定できますが、初期費用に余裕がなく部分的なリフォームで済ませたい場合は、賃料を安く設定する必要があります。

空き家から店舗への活用事例5選

ここでは、空き家を店舗として有効活用している事例について、新潟県、岐阜県、岡山県、沖縄県、山口県の5つのケースを紹介します。

新潟県の活用事例

新潟県燕市の「写真とコーヒーのお店」SIIKS(宮町)の事例です。

地域の方々が元々知っている場所にお店を開店することで、地域の方々に認識されやすいメリットがあり、ホームページ等で宣伝する必要がなく集客することができています。

※燕市の補助金・助成金制度

  • 商店街店舗リノベーション補助金
  • 創業支援家賃補助制度
  • 創業支援資金利子補給金制度

参考サイト:空き家・空き地活用バンク -活用事例-/燕市

岐阜県の活用事例

岐阜県瑞浪市の「大湫宿保存活用事業」飲食店、ギャラリー・ショップ、工房等の事例です。中山道大湫宿の歴史的建造物を活用し、文化財としての価値は保持しつつ現代的な内装に改修し、健康志向者をターゲットに運用を行っています。

※瑞浪市の補助金・助成金制度

  • 社会資本整備総合交付金

参考サイト:空家等利活用事例集ー岐阜県空家等対策協議会

岡山県の活用事例

岡山県s瀬戸内市牛窓町牛窓の「旧青果店〜」美容院への空き家活用の事例です。

青果店の廃業後、岡山にて美容室を営む夫婦が美容院として運用を始めています。本物件にはトイレや風呂が設置されていなかったので、リフォームのうえ、現在は古民家美容室として週2〜3回営業し、近隣住民からも好評を得ています。

※瀬戸内市の補助金・助成金制度

  • 協働の空き家活用促進事業補助金

参考サイト:空き家活用事例集ー瀬戸内市移住交流促進協議会

沖縄県の活用事例

沖縄県名護市の「古民家カフェ かめたろうやー」の事例です。

空き家活用した簡易宿所「沖縄古民家宿とくすけやー」を開業し、宿泊と地域住民が提供する体験メニューを提供するほか、米の生産や観光パンフレットづくりなど地域再生に関わる取り組みを行っています。次いで「かめたろうやー」が開設され、カフェでは羽地産の食材を利用した料理を提供するほか、高齢者が生産する野菜の販売、買い物弱者に向けた移動販売なども行っています。

※名護市の補助金・助成金制度

  • 小さな拠点づくり推進事業

参考サイト:沖縄県空家等利活用事例集

山口県の活用事例

山口県光市の「惣菜・雑貨店」の空き家活用の事例です。

実家が所有している空き家を利用し、商業会議所が行っている創業カレッジに参加して開業までのノウハウを学びながらお店をオープンしたケースです。

もともとあった宮大工が施した細かい装飾を、そのまま内装に残しつつ、こだわりのカウンターや親しみやすい憩いの場として好評を得ています。

※光市の補助金・助成金制度

  • 光市空き家改修等助成事業

参考サイト:空き家利活用事例集ー山口県土木建築部住宅課

空き家を活用する際の注意点

空き家を活用する際は、目的やターゲットを決めて費用を把握し、しっかり計画を立てることが必要です。そのためには、空き家に関するプロに相談することで失敗のリスクを回避することができます。

空き家の期間は短くする

空き家をそのまま保有しているだけでも、固定資産税、都市計画税、物件の管理費用、水道代や電気代、火災保険や地震保険など、さまざまな経費がかかります。

空き家にしておく期間は、なるべく短くして、ビジネスとして活用することや、売却することを進めていきましょう。

費用を把握する

空き家を活用するには、維持費やリノベーション費用、管理費用などが発生します。

以下は、主にかかる費用の項目です。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 光熱費/li>
  • 保険料
  • メンテナンス費
  • 修繕費用li>
  • 管理費用
  • ゴミ処分費
  • 空き家までの交通費

以上、空き家を維持管理するには、土地面積や建物の規模、固定資産税等によっても異なりますが、おおよそ年間約35万くらいかかる目安になります。

高い収益を得られない可能性がある

空き家を活用して収益を得たいと計画していても、思い通りにできない場合もあります。

リフォームを行って初期費用を投資しても借り手が見つからないこともあり、物件がきれいになっただけでは利益に繋げることは難しくなります。

空き家活用をする際は、利用する目的や空き家の立地条件等を踏まえて、専門家のアドバイスを受けることも検討しましょう。

専門家に相談する

空き家に関する疑問や悩みは、不動産屋に相談しましょう。空き家の活用方法について適切なアドバイスを受けることができます。

また、市町村の空き家に関する窓口からも、専門家に相談できます。

空き家の活用について、空き家法や、維持管理するためのルール、補助金や助成金の活用法など、さまざまな要素について把握している必要があるため、一度、専門家の意見を通して、今後の運用方法について検討すると良いでしょう。

空き家の活用方法に迷ったらプロに相談

空き家を活用するには、相続や管理、活用に関わる専門知識と経験が必要です。

空き家の取扱いについては、適切な安全管理やリフォームが必要となり、物件を有効活用する方法や地域社会の有効資源として再生させる方向性を見出すことが求められます。

個人で運用するだけでは、見落とししてしまう点は、専門のプロに相談することで解消され、空き家を活用して収入を得たい場合には、一緒に考えてもらうことでメリットに繋がります。

サポートが充実のあき家ゼロにお任せください

「あき家ZERO」では創業30年、お客さまに寄り添い、ご希望にそえるようなサービスを提案させていただいております。

空き家の活用をお考えのお客様には、「あき家ZERO」のサービスでリフォーム工事、賃貸運用や売却をサポートをご利用頂けます。

空き家に関する疑問やお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

寺澤 正博

サワ建工株式会社 代表取締役

一級建築施工管理技士

二級建築士

高等学校を卒業後、東京トヨペットに3年間勤務。その後、「お客様の気持ちに寄り添った工事をしたい」という思いから独立をし、1989年にサワ建工株式会社を設立。空き家事業だけではなく、新築工事やリフォーム、不動産業など、人が安心して暮らせる「住」を専門に約30年間、東京・埼玉・千葉を中心に地域に根付いたサービスを展開している。東京都の空き家問題に本格的に取り組むべく、2021年から「あき家ZERO」事業を開始。空き家を何とかしたい、活用したいと考えている人へサービスを提供している。

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